« 安倍首相の真珠湾訪問と「和解」の力/首相安倍的珍珠港访问与和解之力(「島田中文説」より) | トップページ

中国ソフトパワー再構築のすすめ/中国如何重新构筑软实力(「島田中文説」より)

10年以上前の話しになるが、日本を訪れていた中国社会科学院副院長から興味ある問いかけを戴いたことがあった。

副院長曰く、「日本人の多くはアメリカが好きだが、中国を好きな日本人は多くない。アメリカは太平洋戦争中に、日本に2回も原爆を落とし、爆撃その他の戦闘行為で300万人以上の日本人を殺した。それなのに日本人の対米感情は悪くない。対照的に、中国はこれまで一度も日本を侵略したことはない。逆に日本が中国を侵略し、多くの中国人の生命と財産を奪った。それなのに、日本の対中感情は必ずしも良好ではない。その理由はなにか。」という質問だった。

これは大変、重要な質問である。私は次のように答えた。日本人の多くがアメリカを好きなのは、アメリカの魅力に魅了されているからだ。日本人の多くが中国を好きになれないのは、今の中国に魅力を感じないからだ, と。その意味を以下に説明しよう。

日米の政治指導者は、太平洋戦争でもっとも激しく戦った日米両国がいまや世界でもっとも緊密な同盟国になった誇らしげに言う。安倍首相は昨年末、オバマ大統領とともにハワイの真珠湾に米軍戦没者の慰霊に訪れた際に、それは「和解の力」だと述べた。

私は前回のブログエッセイで、原因は和解の力ではなく、冷戦が深刻化し、アメリカが日本をアメリカの世界支配体制を守る同盟国として必要とし、日本に多くの支援を与えたこと。そして何よりも、第二次大戦後の豊かなアメリカのライフスタイルや文化が日本人を魅了したからだ、と指摘した。自動車、冷蔵庫、テレビ、映画、そして何よりもアメリカの開放的な文化と分け隔てのない教育が日本人を魅了した、と書いた。

かつて憎い敵対国だったアメリカのその魅力に惹かれ、日本の若者はアメリカに憧れ、アメリカで学ぶことが日本人の夢になった。その日本人をアメリカは多くの奨学金を与えて招いたので、優秀な日本の若者は競ってアメリカの大学に留学し、アメリカを好きになり、アメリカを尊敬したのである。

ひるがえって、中国は日本人の目にはどう映るのだろうか。日中戦争で中国を侵略した日本の行為を私は日本が犯した悔いるべき歴史的誤ちであると考えている。当然、中国の指導者は今日に至るまで繰り返し日本の侵略行為を非難しており、また日本の指導者は繰り返し中国に謝罪している。安倍首相は第二次大戦後70年周年の談話で、このような謝罪は自分の世代で終結したいと述べた。つまり、戦争にかかわらなかった、戦争を知らない新しい世代には、新たな日中関係を創造してもらいたいという願いがそこには込められているのだろう。

私見では、新たな日中関係を創造するためには、日本人は20世紀前半の日中関係の歴史をもっと学ぶ必要がある。人間も社会も歴史の産物であり、歴史を学ばずして新たな未来を創造することはできない、と考える。日本は戦争を知らない世代にも戦争の歴史を率直に詳しく学ぶ機会を学校教育で提供する必要がある。それは日本の大切な宿題だ。

それはそれとして、今の中国は日本人の目にどう映るのだろうか。日本と中国は隣国であり、互いに住所を変えることができない永遠の隣国である。当然、日中両国の交流には長い歴史がある。中国は世界でももっとも古い文明の歴史をもっており、古代では世界最先進国だった。隣国の日本はその中国から進んだ文明を取り入れ、中国の文化と宗教を学んだ。

日本では、先進国中国から文化や学問を学ぶ習慣は、長い中世の時代にも引き継がれた。日本の知識人は、なによりも中国の古代の賢人達、たとえば、孔子、老子、孟子などの思想を学ぶことを教養の基礎とした。中国の優秀な
官僚を選抜する制度だった「科挙」では、中国古典の集約である「四書五経」の学習が選抜の基準とされたが、日本でもそれは知識人の素養だった。

明治時代以降の近代でも、日本は西洋文明を摂取すると同時に、知識人・文化人の間では中国古典の教養が重んじられたのである。いいかえれば、日本人にとって中国は常に文明の先達であり、学問においても文化においても尊敬の対象だったのである。

その中国が、第二次大戦後、日本人にとっては大きく変わってしまった。毛沢東が率いる共産党の指導で中国人民共和国が建国された。共産主義思想は20世紀初頭に、ロシア帝政を倒すためにレーニンらの革命家が実践理論として構築し、さらにコミンテルンをつうじて世界共産主義革命をめざした。

毛沢東ら中国の革命指導者はこれを学び、中国に独自の共産主義体制を築いた。共産主義革命によって蒋介石率いる国民党の勢力を駆逐し、人民に平等思想を説くことは、統治の理論そして戦略としては必要だったかもしれない。しかしそれはロシアの革命家達が構築した思想と戦略であって、中国3000年の長い文明史と文化の蓄積として中国が世界に誇る伝統とはおそらく異質のものだろう。

日本人が幻滅したのは、第二次大戦後の中国が共産主義を強調するあまり、世界が尊敬し憧れてきた中国固有の文化的伝統や文化的遺産まで否定する傾向が横行したことである。とくに「大躍進」の時代や「文化大革命」の流れの中で中国が長い歴史の中で育んできた貴重な文化的遺産が軽視されあるいは破壊されたことは世界史的な損失だった。そうした中国にたいして日本人はかつてのような憧憬や尊敬をもてなくなったのである。

私がこのエッセイで指摘したいのは、長い歴史のなかで育まれ蓄積されてきたこの文化的遺産こそ中国が世界に誇りをもって唱えることのできるソフトパワーの源泉であり核心であるということだ。

一方、日本人が憧れてきたアメリカでは今、異様な事態が進んでいる。政治指導者としての経験も素養もまったく無いドナルド・トランプという人物が大統領となって、人種差別と保護貿易を乱暴に推進している。第二次大戦後の世界が平和と繁栄を享受できたのは、アメリカが主導して国際的な安全保障体制と自由貿易体制を構築し維持してきたからであり、アメリカが世界から尊敬されたのはアメリカの魅力的な文化以上にこうした世界システムの構築のために尽力してきたからである。

それをトランプ大統領は自国第一、白人第一主義を掲げて破壊しようとしている。このような大統領を選ぶアメリカの魅力は最近、急速に低下している。トランプ政権が続く限り、日本や世界はアメリカを尊敬できなくなるだろう。トランプ政権の破壊行為はアメリカが育ててきた優れたソフトパワーの魅力も台無しにしつつある。

中国の文化大革命は中国国内の文化的蓄積の否定だったが、トランプ政権は第二次大戦後世界が営々と築いてきた世界システムを破壊しかねない大きな危険を孕んでいる。また、欧州では、悲惨な世界大戦を繰り返さないために、賢人達と優れた政治指導者が懸命な国際協力によって築いてきたEUを、欧州諸国の一部の政治家達がひとびとの目先の欲望に媚びて破壊しかねない状況になっている。

注目すべきは、トランプ氏も欧州のポピュリスト政治家達も、いずれも近代西欧文明が生み出した民主主義の選挙制度によって選ばれているということだ。近現代を支配した西欧文明は、今、世界史的視野で見れば、重大な反省期にさしかかっているのかもしれない。

中国にとっても日本にとっても西欧文明はもともと東洋の文化的伝統とは異質なものだった。日本はその西欧文をいち早く吸収し目覚ましい経済発展に結実させた。中国は西欧文明に学習に時間がかかり、結局その亜種である共産主義によって近代化を達成した。

中国も日本も、その西欧文明の生み出したしくみそのものの内部矛盾がますます明らかになっている今日、今一度、東洋の歴史を見つめ直し、そこで蓄積された文化的伝統の本質を解釈しなおして、新たな価値体系を考える時代にさしかかっているかもしれない。東洋の仏教や儒教の教えは、自然と社会と人間の調和、そして社会と人間における寛容や忍耐の価値を説いてきた。それは自然と人間の対立、個人と社会の対立と契約を重視する西欧や中東の思想とは本質的に異質である。

中国は長い歴史の中で育まれ蓄積されてきた思想の伝統を見つめ直し、現代世界に新しい光を投げかける新たな価値を問いかけることのできる貴重な立場にあるのではないか。それこそが、中国が今、この混乱した世界に提起できるソフトパワーの核心になるだろう。

中国がそうした文明史的貢献に向けて努力する姿は、改めて世界の人々に希望を与え、魅力となるだろう。そうした努力の一環として、中国は第二次大戦後のアメリカや、戦後経済復興と発展に邁進中の日本が中国に対して提供したような大規模な留学生招致のプログラムを推進すべきだ。それによってより多くの若者が中国を理解し、尊敬し、憧れることになる。経済大国になった中国は、軍事力によって世界にプレゼンスを示すより、こうしたソフトパワーによって世界を牽引する大きな価値を実現する可能性をもっていることを自覚すべきと思う。
 

**********************

「中国如何重新构筑软实力」


差不多是10多年前的事了吧,来日访问的中国社会科学院副院长向我提出了一个问题。

他说:“很多日本人都非常喜欢美国,而喜欢中国的日本人并不多见。然而美国在太平洋战争中向日本投放了2枚原子弹,爆炸以及其他的战争行为造成了日本至少300万人的死亡。即使这样日本人也并不那么讨厌美国人。反观中国,一次侵略日本的行为也没有,倒是被日本侵略,甚至许多中国人的财产和生命都被夺走了。就算如此,日本对中国也并不十分友好。这是为什么呢?”


这是一个严肃而重要的问题,我是这样回答的。很多日本人之所以喜欢美国,是因为他们被美国的魅力所折服。而许多日本人还不那么喜欢中国,是因为他们还没有被现如今的中国的魅力所感染。


太平洋战争中战斗的最激烈的美国和日本,现在成为了世界上关系最紧密的同盟国。美日关系的政治指导者们一直以此为傲。去年年底安倍首相和奥巴马总统共同前往夏威夷,悼念珍珠港事件中的美军遇难者时提到了,这是“和解的力量”。


前一回的博文中我也有说到,这并不是和解的力量,而是由于冷战的深刻化。在以美国为主体的世界支配体制中需要日本这样的同盟国的支持。因此给予了日本多方面的支持。并且第二次世界大战之后的美国逐渐变得富裕,其生活方式及文化也深深地吸引了日本人。自行车,电冰箱,电视机,电影以及美国的开放性文化和无分隔大众化教育,无一不使日本人为之着迷。


被曾经的敌对国―美国的魅力所吸引的年轻一代日本人纷纷开始向往美国,梦想者有朝一日前往美国学习知识。针对这样的群体,美国为其提供了奖学金,因此许多优秀的日本青年争相前往留学,变得更加喜爱和崇拜美国。


那么回过头来看一看,在日本人眼中的中国又是怎样的呢。中日战争中,日本侵略中国这一行为,我认为日本理所应当为其所犯下的历史罪行而忏悔。当然时至今日,中方依旧对日本的侵略行为反复的进行谴责,而日方也想中国反复的谢罪与致歉。安倍首相在第二次世界大战70周年之际也曾提到,希望将道歉与谢罪在自己这一代画上句号。希望在一个没有战争,无关战争的新时代里创造出一种新的中日关系。


个人认为,想要创造一种新的中日关系,那么日本人就很有必要学习一下关于20世纪前期的中日关系史。人类也好社会也罢,皆是历史的产物。我认为如果不了解就无法创造未来。日本当前的一大课题是,很有必要为不知战争为何物的一代人提供更加直观,更加真实的了解战争及其历史的学习机会。


那么当下的中国在日本人眼中到底是怎样一种存在呢。中国和日本作为邻国,并且是永远都无法改变的国土相邻的关系。中日的互通关系古来已有,历史悠久。中国作为全世界历史最悠久的文明古国,曾一度是世界第一强国。作为邻国的日本,从那时起便积极学习中国的文化,宗教等各种文明。


日本在中世纪中的很长的一段时间里,培养并继承了向发达的中国学习各种文化和学问的习惯。日本的文人没也将中国古代的孔子,老子,孟子等圣贤的思想作为安身立命之本。中国古代选拔人才的科举制度将“四书五经”作为考核标准,日本也视之为文人必备的素养。


明治时代之后的近代,日本在学习西洋文明的同时,文人志士也丝毫没有松懈关于中国古典文化的修养及教育。对于日本人来说,中国总是处于文明的最前端,无论是学问还是文化都是当时的日本所崇拜尊敬的对象。


然而二战之后,一直以来日本人眼中的中国却从此发生了翻天覆地的巨变。在毛泽东领导的共产党的指导下建立了中华人民共和国。共产主义思想是20世纪初期,列宁等革命家为了打倒俄罗斯帝国主义而倡导并提出的思想理论,并成立了第三国际,旨在事先并完成世界性的共产主义革命。


毛泽东等中国革命领导者在学习了共产主义思想之后,逐步创立了中国特色的共产主义体制。在共产主义革命思想的指导下,驱逐了蒋介石率领的国民党势力,并向人民提倡了平等思想。这些作为统治理论以及战略思想来说也许是必要的,然而这一由俄罗斯革命家提出的思想战略却与中国所引以为傲的3000年历史文化相悖。


真正让日本人对中国的憧憬就此幻灭的,是二战之后的中国过分强调并推崇共产主义,而逐渐开始否定举世闻名的中国古来的文化传统和文化遗产。尤其是大跃进时代及文化大革命,从古至今累积下来的贵重的文化遗产被轻视甚至被破坏,造成了不可挽回的重大损失。至此日本人对曾经的文明古国―中国的憧憬及尊敬之情荡然无存。


我想强调的是,在漫长的历史长河中培育并积累出的这种文化遗产,才是中国最值得向全世界感到骄傲的软实力的核心。


一方面,日本人憧憬着的美国,如今也正朝着不可预测的方向法发展。既无经验更无修养的特朗普作为政治领导者统治美国,造成人种歧视和贸易保护等一系列混乱局面。二战之后世界迎来平稳和谐繁荣的景象,归功与美国主导并推持的国际安全保障体制和自由贸易体制。美国为开创并维护这一体制所付出的努力,甚至超越了其本身的文化魅力,最终赢得了全世界的尊重。然而这一切正在被特朗普总统的美国第一,白人优先主义所破坏。


如果说文化大革命是对历史悠久的中国传统文明的否定,那么特朗普当权有着极大的,破坏苦心经营至今的世界体制的危险性。同时在欧洲,为了不重演那场极其惨烈的世界大战,圣贤和优秀的政治指导者通过国际合作,进行种种的努力所实现的欧盟体制,现如今由于一部分只顾眼前利益的政治家们而岌岌可危。


更值得关注的是,不论是特朗普还是欧洲的新兴政治家们,他们都是由近代西方文明所创造的民主主义选举而出。从世界史的角度观察,支配着近现代的西方文明,或许需要进行深刻的反省。


不论对于中国还是对于日本,西方文明不同于东方的文化传统。日本率先吸收西方文明,实现了快速经济发展。中国花费了漫长的时间其学习西方文明,导致最终通过学习西方文明的亚种―共产主义,来实现了现代化。

先如今,西方文明所创造出的系统内部矛盾与日加深,不论中国还是日本,或许已经进入了重新审视东方历史,重新定义积累至今的文化传统的本质,重新思考价值体系的时代。在东方的佛教和儒教思想中提倡自然与社会与人类的和谐,并且诉说着真正的价值在于社会和人类的宽容与忍耐。这些观点,与述说着自然与人类的对立,个人与社会的对立的同时,重视契约说的西方文化思想有着本质上的不同。


我认为中国正处在,重新审视在漫长的历史长河中所积累下来的传统思想,为当代世界提供新的曙光的重要立场。这种思想正是中国影响当今格局混乱的世界所需要的软实力的核心。

为世界文明史的进程进行不懈努力的中国,会给世界人民带来希望,会让世界人民感受到中国的魅力。


作为其中的一部分,我建议中国大规模推进招收留学生事业,就像二战后的美国和实现经济复兴,正在飞速发展时期的日本的一样。通过这方面的不懈努力,会有更多的年轻人理解中国,尊敬中国,憧憬中国。作为世界经济大国的中国,应该意识到比起通过向世界展现军事实力,或许通过这种软实力来引领世界前进,有着实现更重大的意义与价值的可能性。


« 安倍首相の真珠湾訪問と「和解」の力/首相安倍的珍珠港访问与和解之力(「島田中文説」より) | トップページ

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1441035/70290754

この記事へのトラックバック一覧です: 中国ソフトパワー再構築のすすめ/中国如何重新构筑软实力(「島田中文説」より):

« 安倍首相の真珠湾訪問と「和解」の力/首相安倍的珍珠港访问与和解之力(「島田中文説」より) | トップページ