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アベノミクス 2年間の経験とこれからの日本経済

昨年末の衆議院総選挙の結果、自民党が大勝し、安倍政権3.0がスタートしました。この政権は順調に行けば4年間選挙をしなくて良いので、4年間の長期政権となる可能性があります。野党の対抗勢力がない中、国民はこれから4年間、安倍政権に命運を付託せざるを得ません。

この総選挙はアベノミクスを信任する選挙とされましたが、他に選択肢のない中での選挙で、投票率も低く、アベノミクスが国民に信任されたかどうかは分からないというのが世界の論調です。

アベノミクスの鍵を握る第二次成長戦略は、複数のレポートからなる320ページもの複雑なもので、国民はこの成長戦略の中身そのものを理解していな恐れがあります。本エッセイでは、国民としてアベノミクスとりわけ成長戦略の中身を良く理解し、私たちの将来の問題を解決出来るものなのかどうか、そうでなければ私たちは何をする必要があるのか、といった課題を詳しく考えて行きたいと思います。

このエッセイは、私が年末から年始にかけて各地で行なった講演などの基礎になっていますので、御興味のある方はどうぞ御高覧下さい。


                                                                                                                                                                                                                                                         「アベノミクス 2年間の経験とこれからの日本経済」

l. はじめに


ll. 2014衆議院選挙と安倍政権の課題

 1. 2014衆議院選挙とその意味するもの
  ー2014年12月14日、投開票の結果
   ー絶対安定多数は266。投票結果は、与党で326、これを60議席上回った。
   自民の地滑り的勝利。官邸の求心力強力。
  
  ーしかし投票率は52.66%(過去最低)、2012選挙の59.32%より6.66ポイント低い。
  ーFinancial Times など海外論調:
   自民党は大勝したが、得票率は低く、野党が準備不足で混乱しており、他に選択の余地が
   無い消極的選択。安倍首相が選挙の争点を「アベノミクスへの信認を問う」としたが、
   安部政権の政策が国民の信認を得たかは不明。


  2. 安倍政権3.0の課題
 ー安倍長期政権の可能性:
    この大勝の結果、安部政権は、現段階ではこれから4年間、選挙せずにつづけられる
    可能性。戦後最長の長期政権となる可能性。国民は命運を託すことになる。

  ー経済を本当に浮揚させられるのか? これが最大の課題
   経済成長を実現して、実質賃金の向上、財政問題、社会保障問題などの解決の糸口を
   つけられるのか?


lll. アベノミクス2年の評価

1. 第一の矢:異次元金融緩和の成果とリスク

   ーデフレ脱却が安倍政権の最大の課題(strategic intent)
  菅義偉官房長官の島田塾講演
   ーデフレマインドをインフレマインドに変える必要。

   ー黒田総裁。異次元金融緩和:ベースマネー2年間で2倍、2年でインフレ2%達成
   ー投機筋の反応:円安と利益予想↑⇒株価急騰:株価 8000円から17000円
    企業利益↑、高額消費↑経済活気。
    アベノミクス第一の矢はそれなりの成果。
          
   ー人々の期待感はデフレマインドからインフレマインドに変わったか? まだ。
    投資やや↑ 消費まだ伸びず。
  
   ー日銀の国債大量購入は政府の財政赤字の日銀による肩代わり→財政規律の崩壊も。
    →国債暴落のリスク→金融機関売り急ぎで加速→金利高騰→財政雪だるま→財政破綻

  2. 第二の矢:積極財政の効果とリスク

   ー構造転換の過程で、経済を支え安定化。
   ー2013年初 20兆円緊急経済対策、大型年次予算、2013年秋、5兆円、消費税対策
    2015予算は96兆円(これまでで最大)
   ー経済下支えの効果(2013、2014)、消費税導入のショックを吸収効果
   ー財政再建計画は遠のく?
     2010年、財政再建計画:
    「PB6.7%(32兆、SNA)を2015に半減3.3%(16兆)、2020に均衡または黒字

   ー2014、2015年は税収増+消費税率↑でギリギリ計画軌道の予定
     安倍首相の2015年10月消費税10%へ引き上げ延期決定で、軌道はずれるおそれ。
     しかし安倍首相は財務省当局に、半減目標達成を厳命。
     年末策定の予算ベースでは基礎収支ー16兆円でギリギリ軌道上確保?。
     (税収54.5兆円を見込んで)
      
   ー消費税2015年に10%にしても、2020年ではまだ(ー1,8%)ー11兆円
     (内閣府試算2014年7月:経済再生ケース、2013〜22年実質2.0%、名目3.3%) 

      参考(再生ケース) 2010年 −6.7% ー32兆円
                2015年 ー3.2% ー16兆円
                2020年 ー1.8% ー11兆円
              (参考ケース: −2.9% ー16兆円 )     
             参考ケース: 2013〜2022年 実質1.3% 名目2.1%)

    ー2020目標年で達成できない見込み。市場、国際社会はどう見るか?
      ・2015年夏には経済財政諮問会議で可能性と課題検討
        成長加速、歳出削減(社会保障、地方財政)、歳入増(消費税2017年ほか)
      ・国際社会は、具体的な”信認に足る計画”取り組みを評価。

  3. 第三の矢:成長戦略への期待
   ー成長さえあれば
    ・生活向上:雇用↑⇒消費↑⇒投資↑⇒成長↑の好循環
    ・財政再建:成長↑⇒税収↑
    ・社会保障:所得↑⇒拠出↑と税収↑⇒社会保障充実

   ー成長戦略への国民の期待↑

                                                   lV. 「日本再興戦略」(2013年6月)

  1. 「日本再興戦略」の概要   
・第一次「再興戦略」2013.6.14.閣議決定
     ー3つのaction plan
     (1) 日本産業再興プラン
        ねらい:産業、人材(労働市場)新陳代謝すすめる
         「産業競争力法案」
         雇用政策:雇用維持から移動支援へ。
     (2) 戦略市場創造プラン
        健康、エネルギー、次世代インフラ、世界から稼げる地域育成
        
     (3) 国際展開戦略プラン
ねらい:FTA比率を現在の19%から2018年までに70%に。
          ー韓国は2014.11月、中韓FTA(米、EUFTA)で達成
         自由貿易の促進、TPP 、 RCEP (東アジア地域包括的経済連携)
          FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)など。

 2. 市場の反応と評価
    足下は2013年:2.3%、(四半期:l4.9、ll3.5、lll1.3、lV0.3)

     ー成長率急速鈍化: 政府の成長戦略は構造改革であって、即効性は期待できない。
      にもかかわらず、成長戦略発表後、成長率の急速鈍化に政権は危機感
                                                  
                                                   V. 「新成長戦略」への取組み

  1. 新成長戦略の方針
    ー安倍首相は、2014年1月20日の「産業競争力会議」席上で
    「成長戦略進化のための今後の検討方針」発表。第二次成長戦略策定方針言明。

     ー岩盤規制分野(農業、医療、雇用)にも踏み込む覚悟明示

    ー安部政権の正攻法の取り組み評価したい。
     その内容を紹介したい。

  「新成長戦略」
  (1)第二次成長戦略(『日本再興戦略 改訂2014』ほか)は2014年6月24日閣議決定
     ・産業競争力会議報告『日本再興戦略 改訂2014』は本文124p、概要19p
     ・「規制改革会議」『規制改革に関する第2次答申〜加速する規制改革〜』106p
     ・「経済財政諮問会議」答申『経済財政運営と改革の基本方針2014について』80p

     ーこれらは膨大かつ詳細な内容で、Financial Times とThe Economistは、「新成長
     戦略」発表直後の論評で、これは the third arrow ではなく、one thousand
needles と評した。

  2. 企業統治と資本市場の改革
   企業統治の透明性向上、株主の監視と発言力強化、高収益積極投資促進めざす改革。

  (1)会社法改正(2014年6月20日成立):企業は最低1人の独立社外取役を選任すべし。
  (2)ガバナンスコード(企業統治のための企業の行動規範)の策定(2015年株主総会まで
  (3) Stewardship codeの導入。機関投資家向けに定められた行動規範。株主の発言強化
  (4)GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)130兆の運用の積極化:安定+高収益志向へ
  (5)JPX日経400インデックス:ROE向上への意識改革促進。

  3. 競争力強化法(2013年12月制定)
  ー新陳代謝促進、産業・企業と雇用

  4. TPP参加と交渉プロセス
 (1)TPPは10年ほど前に、環太平洋地域の4つ小国(NZ、チリ、ブルネイ、シンガポール)
  が高度で理想的な自由貿易圏構想として打ち出し、アメリカが2010年に参加。日本は
  2013年7月参加。現在の参加国は12。モノの貿易だけでなく、サービスや投資ルールなど
  21分野で高度な自由化を志向。
  
 (2)日本はこの高度な自由貿易圏に参加することで、貿易や投資の自由化のメリットを享受
  できることから、安倍政権の成長戦略の重要な柱と位置づけ。

 (3)交渉は総合的に進められ、焦点が絞られてきているが、その過程には曲折があった。
  2013年10月、首脳レベルで高度な合意形成をねらったシンガポールでの首脳会議に
  オバマ大統領が国内事情でドタキャン、各国の失望を買った。オバマ大統領の2014年4月
  のアジア歴訪の一環として4月下旬に日本を訪問する際に、高度な合意が得られるかとの
  期待感があったが、2日半にわたる閣僚レベルの高密度の交渉でも結着がつかず。アメリカ
  は日本が農産品5項目、とりわけ豚肉の関税撤廃に応じない事が障碍と喧伝しているが、
  アメリカ側にも自動車安全基準問題など障碍は多い。日米両大国がなんらかの合意に
  到達しないと他の国々が前進するモメンタムが働きにくい。

 (4)2014年11月のアメリカ中間選挙が、TPP進展の契機になるか期待されたが、TPPは題材
  にならず、オバマ民主党の大敗となり、議会調整が一段と困難に。通常、こうした貿易交渉
  を加速するには、アメリカでは大統領に議会がTPA(Trade Promotion Authority?)という
  貿易促進権限を付与する。これは通称、”Fast Track”(近道)と呼ばれるが、議会はこの
  権限をオバマ大統領に付与していない。TPA交渉参加国にしてみれば、大統領と合意が
  できても議会が否決することはあり得るわけでリスクが大きいことも障碍だ。

 (5)日本は粘り強い努力をつづけているが、TPPで何らかの合意を得て、成長戦略にはずみを
  つけたいところ。
  ー2015年1月13〜15、日米実務者協議。今春の結着目指し、交渉真剣度↑
   2016年は大統領選で議会はほとんど休会状態。
   日本は夏の参院選でその直前に関税大幅↓は避けたい。
   双方政治的理由で時間切迫。
  ーアメリカ輸入豚肉、日本関税大幅下げ。輸入量急増の際にセーフガードで関税↑
   日本車アメリカ輸入。問題あった場合に関税↑の紛争処理手続、など歩みより。

  5. 農業改革
 (1)農業の規制と既得権の岩盤を打破して活力ある農業者や企業が自由に農業活動をできる
   ようにすることで農業を成長産業にする。

 (2)減反政策の廃止。
   競争から隔離する減反政策をやめ、農家の生産性向上動機を支援

 (3)農協の改革。
    1)JA全中と県中央会の地域農協への指導権と監査権を廃止し、地域農協の自由度を 
     高める。
    2)JA全農を株式会社化し、経営を効率化。合理化と経営努力をさせ、安い農業資材など
     を供給し、また企業などと連携しやすくする。
    3)地域農協の金融事業を農林中金に譲渡・売却し、地域農協は代理店として手数料を得
     るだけで、不要なリスクを負うことなく農業活動に専念できるようにする。

 (4)農地制度・政策の改革
   ー農地政策の改革の主眼は、企業が農業に参入し活躍しやすい環境を農地の面で
    整備することであり、また、意欲と活力のある専業農家や企業などの担い手が農地
    の集約による生産性の向上を実現しやすくする環境を整備すること、にある。
   ー農業生産法人への出資規制緩和:企業25→50%まで出資可能に。それ以上は3年後検討
   ー農業委員会の委員の人選、ムラの仲間でなく市町村長の推薦、議会が決定。

  6. 働き方の改革
  (1)働き方の規制改革
    1)労働時間規制見直し:成果報酬の導入
       日本の労働者生産性低い。本来成果報酬のWCが時間による報酬。長時間労働。

    2)雇用契約と解雇の金銭補償
       解雇法制あまりに硬直的、環境変化に対応できず、効率低い。
       解雇可能にする代わりに金銭補償
       組合と中小企業経営者反対。解雇された労働者が犠牲者に。

    3)派遣期間、有期雇用法案
       同じ仕事を別の派遣労働者が担当可能に。派遣労働者のローテーション可能。
       派遣労働者の訓練・経験蓄積が可能に。継続審議

  (2)外国人材の活用
    1)関係閣僚会議(2014.4.4)
     外国人技能実習生の在留期間延長や帰国後の再入国を時限的に認める緊急措置を決定
     ・実習期間が終了した後、以下のいずれかを認める。
     ・法相が指定する「特定活動」としてそのまま2年間在留。
     ・帰国後1年未満で再来日し、最長2年間の「特定活動」。
     ・帰国後1年以上たった実習生が再来日し、最長3年間の特定活動。
      通算、最長で8年。
     この決定は第二次成長戦略に盛り込まれた。

    2)高度人材問題。労働力が長期的に減少し、技術水準が向上する日本がもっとも
      必要としているのは、“高度人材。” ただ、高度人材は、世界各国は皆、求めて
      おり、日本は高度人材を受け入れる環境では多くの面で競争力がない。高度人材
      を迎えるにふさわしい生活環境、言語環境、法制度などの整備が急務。

  7. 女性の活躍支援
   (1)子育て支援の充実
     ・学童の受け入れ枠を2014年の90万人から2017年度まで30万人増で120万人に。      
     ・全小学校区に「放課後子供教室」計2万ヶ所整備

   (2)税制の改革
     ー配偶者控除(専業主婦世帯の所得税を軽くする優遇税制、103万円の壁、実際は
      段階的に控除額を減らすので逆転減少は起きない)の見直し政府部内で検討開始。
      ー夫婦がそれぞれの所得に拘らず控除が一定になる「家族控除」検討。


  8. 人口減少と地方創生
   (1)人口減少と高齢化の衝撃
      ー社会的費用の増大、経済・地域に深刻な影響
       ・国民負担率:高齢化率25%で40%、2015年高齢化率40%で72〜73%。

   (2)増田レポートとそのインパクト
     ー日本創生会議・人口減少問題検討分科会レポート(増田寛也):2014年5月8日   
     ー人口減少と人口移動で消滅する自治体
       ・人口移動が収束しない(東京など大都市への流入がつづく)前提。20〜39歳
        女性人口5割以下に減る自治体(消滅可能都市)数は、2010年→2040年で、
        896(全体の49.8%)になる。

   (3)50年後に1億人維持目標
    ー経済財政諮問会議有識者懇談会提言「選択する未来」 2014年5月13日
    ・日本の人口を”2060年に1億人に維持すべし”と提言。
      日本の人口は2010年に1億2806人、50年後には8674万人に減少の見込み。
    ・1億人維持するには出生率を2.07に引き上げる必要

   (4)地方創生本部と地方創生法
    ー地方創生本部の設置(2014年9月5日)「まち・ひと・しごと創生本部」設立。
    ー地方創生法成立(2014.11.17)
    ー1月:国が「長期ビジョン」と「総合戦略」を公表
     ・「長期ビジョン」:
       ・若者の希望が実現すれば、合計特殊出生率は1.8に向上可能。
       ・50年後に人口1億人を達成するには、2030年には1.8、40年には2.07必要。
       ・地方に雇用つくるため、地方移転企業に税制優遇。
     ・「総合戦略」:
       ・地方に若者向け雇用30万人創出。
       ・地方自治体が使いやすい交付金創設。
  
      通常国会に関連法案第二弾を提出
    ・3月末まで:各都道府県が「地方ビジョン」と公表
    ・4月以降:各都道府県が「地方版総合戦略」を公表。

  9. 社会保障
  ー「社会保障改革国民会議」2013年8月報告
    ・伝統的な年金、医療、介護に加えて拠出者の支援(雇用、子育てなど)が必要。

  ー政治レベルでは、比較的所得の高い層や企業などへの負担を高めるだけの制度変革。
  ー「社会保障プログラム法」12/5参院で可決、成立。
    ・医療:70〜74歳、自己負担2割に引き上げ:14年春から
        大企業健保の負担を重く:15年度にも
        国民健康保険を都道府県に移管:17年度までに
    ・介護:高所得者の自己負担2割に引き上げ:15年度から
        特養ホームの入所を厳しく:15年度から
        要支援者向けサービスを市町村に移管:15年度から
    ・年金:年金控除の縮小:時期見通せず
       受給開始年齢の引き上げ:時期見通せず 
 
  ー2014年5月「財政再計算」現行の年金制度は、
    (1)受給年齢引き上げ、高齢化の進展に即して
    (2)毎年、給付額を1%弱減らす「マクロスライド」の完全実施、
    (3)労働力参加率の向上と維持などが実現しないと持続可能性に疑問符。
    とりわけ世代間の格差が大きく拡大することが示された。
   ー本当の取り組みはこれから。

  10. 医療改革
   ー「規制改革会議」混合診療適用拡大志向。
   ー「患者申し出療養(仮称)」制度を当局と折衝して工夫。
    ・患者が希望すれば、抗がん剤など未承認新薬、医療機器など幅広く使える制度。
     既存の「保険外併用療養費制度」(例外的に薬や技術、施設を国が限って認める)
     の拡大適用に過ぎないという見方も。「新成長戦略」の趣旨は後退。
     国の審査を原則6週間と現行より短い期間とするとされているが、医師会などが主張
     する安全確保の建前で審査の遅れが常態化れば「混合診療」の趣旨は現場でさらに
     形骸化するおそれもある。

    ー厚生労働省は2014年11月5日、「混合診療」拡充の具体案を提示。
     原則として全国約100ヶ所の大病院で実施し、中小病院や診療所は患者を紹介する。
     6月の政府の「新成長戦略」では、診療所を含む身近な医療機関で受診できる方針。
     実質的には高度医療を担う中核病院にほぼ限られる公算。「新成長戦略」の趣旨
     からは一歩後退。医療機関の絞り込みは日本医師会の主張に沿った内容。
     医師会は開業医の収入源である保険診療の縮小につながると混合診療拡大論を警戒。

  11. 国家戦略特区
    ー「国家戦略特区法案」閣議決定(2013.11.5)法成立(2013.12.7)
    ・「国家戦略特別区域諮問会議」と「地域会議(国、地域、企業代表参加)」
    ・参考:民主党政権時の「国際戦略特区」は地域の提案を国が審査して採択する方式。
      今次政権の「国家戦略特区」は国、地域、地域産業界の代表が一堂に会して
      迅速な意思決定をはかることが主眼。
   
    ー地域選び:福岡、兵庫・養父市、新潟(2014.6.9)
    ・東京圏(含む成田市)で医療先行、3病院で混合診療計画(2014.12.9)

  12. 賃金引き上げ
   ー物価↑→賃金↑なら実質賃金低下?アベノミクス効果?。政労使会議で賃金↑要請。
   ー賃金決定は民間マター、しかしマクロ経済効果から政府要請の意義。所得政策の例。
   ー2014年春期賃上げ結果:大企業は2%ていど。中小企業は1%以下の賃上げ。
   ー政労使会議(2014.12.16)
    ・経済界は、賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図る」(合意文書)
    ・政府は2015年度に外形標準課税の拡大を予定しているが、3%(2012年比)以上の
     賃上げをした企業には外形標準課税の負担軽減をはかる。

  13. 法人税引き下げ
    ー法人税率引き下げが成長戦略でも重要課題
      日本の法人実効税率は35.6%。他の主要国は 25〜30%。

   ー安部首相は成長戦略の一環として、国・地方をつうじて法人実効税率を2015年度
    から数年で20%台に引き下げるとかねて言明。
   ・この方針を実現するには、5年で29%台へと6%下げる必要。
 
   ー「2015年税制改革大綱」(2014.12.28日)
    国・地方の法人実行税率 現行34.62%を
   ー2015年度に2.51%(32.11)、2016年に3.29%(31.33)へ引き下げ。
    数年後に29%(20%台へ)
    外形標準課税などで税源確保。ただし賃上げ(3%以上)企業には配慮。

  ー官邸が慎重な財務省を押し切った?

                                                    Vl. 経済動向とアベノミクス

  (1)物価と賃金: 
    ・賃金上昇が物価に追いつかず、2013年後半から1年半実質賃金低下
    ・アベノミクスの異次元的金融緩和で円安になり、それが輸入物価を上昇させ、
     物価上昇がつづいているが、物価上昇に見合った賃上げがなかなか実現しない。
     このままでは、勤労者の実質賃金は低下し、アベノミクスは勤労者の生活向上
     に役立たないのではないか、との疑念が高まるおそれ。
    ・物価(CPI)は2013年7〜9月 0.9%、10〜12月 1.4%、2014年1〜3月1.5%
      と着実に上昇。
      これにたいし、名目賃金は2013年7〜9月 −0,4%、10〜12月 0.4%。
    ・さらに、消費税8%後は、物価は2014年4〜6月 3.6%、7〜9月 3.3%。
     ところが、名目賃金は 2014年4〜6月 0.8%、7〜9月 1.5%にとどまった。
 
     消費増税前でも賃金上昇は物価上昇に追いつかなかったが、消費増税後はさらに実質
     賃金は増税分だけ低下しており、国民に不満とアベノミクスへの不信感がひろがる。

  (2)円安でも輸出のびず
      (1)世界経済低迷、
      (2)日中関係の冷却化、
      (3)企業、量拡大追求せず。価格維持して利益増大傾向 
      (4)企業の世界投資進展。円安輸出の効果相殺

  (3)成長点火せず。
     2013年1〜3:6.0%、4〜6:3.0%、7〜9:1.6%、10〜12:−1.5%
     2014年1〜3月期 5.8%、4〜6月期 −6.7%、7〜9月期 −1.9%。

  (4)黒田第二次バズーカ発表:
     背景に物価上昇率急低下への危機感?
     2014年10月31日、黒田総裁、内外の意表を突いた突然の大規模第二次金融緩和発表
       ・マネタリーベースの増加ペースを年10〜20兆円ふやして、年80兆円とする。
       ・長期国債買い入れ量を30兆円増加して80兆円とする。
       ・リスク資産(上場投資信託ETF, 不動産投資信託REIT)の購入を3倍に。
     →2015年末、マネタリーベース350兆円。GDP比 7割。米国450兆円、2割。

     2)物価上昇率急低下への危機感
      ー物価上昇率が2014年夏から低下、予想外の原油価格急落のインパクトか。
      ー夏までは、日銀は、2015年春には物価上昇率1.9%を予測。
       2%の近傍として国際公約は実現できると踏んでいた。

      ー2014年9月のCPI(生鮮食品と消費増税の影響除く。10月31日発表)は1.0%。
      ー10月に準備した『物価リポート』では内部データとして2015年春1.5%。
       『物価リポート』(2014年10月)は10月末に公表されるが、1.5%では、
       国際公約は守られるとはいえない。
      ー黒田総裁、日銀幹部に危機感。ひそかに大胆な追加緩和を準備。

     3)舞台裏
      ー10月末になって黒田総裁は急遽、腹心の雨宮正佳理事や内田真一企画局長に緩和
       策の検討を指示。実務部隊には厳しい箝口令
      ー一方、対外的には動かぬ日銀を演出。10月28日の参議院財政金融委員会でも総裁
       はいつもの強気姿勢を淡々と貫いた。市場は31日も日銀に政策変更なしと織り
       込んだ。
      ー日銀政策委員会の票固め。民間エコノミストの木内登英、佐藤健裕氏らは
       もともと緩和には慎重。学者の宮尾龍蔵、白井さゆり氏は議論の結果賛成。
       企業出身の森本宣久、石田浩二氏は反対。結局、4時間の議論の結果、総裁、
       副総裁含め、5:4の薄氷の決定。    
    
    4)緩和発表の影響
      ー10月末にアメリカ連銀が超金融緩和の終了を宣言し、世界がその対応に身構えて
       いたタイミングの日銀バズーカは株式市場などで大歓迎。東証株価日経平均は
       700円上昇。NY株式市場は市場最高値記録。
      ー麻生太郎財務相は「良い決定」と大歓迎。消費税10%増税への後押しと理解?
       菅義偉官房長官は「日銀独自の判断」とコメント。消費増税含んで微妙。

 
    5)超金融緩和の出口戦略、田幡氏の提案
      ・ベースマネー莫大なので、時間をかけ(10年超?)市場の不安を最小化するよう
       慎重に実行。日銀所有国債の四半期別期日到来額を周到に準備して平準化、その
       再投資を停止して計画的に資産縮小。市場の理解。財政再建努力進める。
       田幡直樹氏「日銀の金融政策正常化:市場にやさしい資産縮小を」日経2014.11.24


  (5)消費税引き上げ問題
    ー予定通りの引き上げへの期待
     ・国際社会の専門家(IMFラガルド専務理事など)は予定通り引き上げすべしと忠告。
      日本政府の財政規律が日本の国債の信用そして世界経済への大きな影響を考慮。
    ー日本のエコノミストも多数は予定通りの引き上げを主張。
     ・成長率は低めだが、成長率は7〜9月が底で2015年にむけて回復。
      失業率3.6%(完全雇用水準)、鉱工業生産、投資も上昇傾向、
      景気はゆるやか回復軌道へとの見通し。
     ・財政規律回復、国際公約遵守のためにも、今、以上の好機なし。
      時間が経ってもめだって環境が良くなる保証もない。
    ー日銀、黒田総裁。かねてより公約遵守すべきとの立場。
     ・第二次緩和も消費増税の環境整備との観測。
        
    ー引き上げ延期の判断
     ・安倍首相は、増税の判断は11月にすると言明。
     ・安倍首相のブレーン、浜田宏一、本田悦朗氏はかねてより延期派。
      最近の経済状況みてさらに主張強める。
     ・オーストラリアからの帰途、首相は機中で遵守派の麻生財務大臣に7〜9月期の
      成長率データをみせた。そこには−1.9%。首相の胸中はその時点で延期。 
   
   (6) 唐突な選挙挙行:その背景と意味
    1)衆議院解散と選挙挙行の宣言
     ・安倍首相は11月18日夜、首相官邸で記者会見し、
      ・11月21日に衆議院を解散する
      ・2015年10月に予定していた消費税10%への増税は1年半延期。
       再延期はせずと言明。
      ・衆院選では「アベノミクスの是非を問いたい」とした。
      ・11月21日、衆議院本会議後の閣議で、12月2日公示、14日投開票を正式決定。 
 
    2)なぜ今、選挙なのか? 
    ・なぜ今、このタイミングで選挙なのか、多くの憶測と仮説。
    ・衆議院議員の任期がまだ2年あるのに、なぜ、と多くが疑問。
     以下がその表向きの理由と推測された。
    ・2015年10月に予定されていた消費税の10%への増税を2017年4月に延期するとの
     首相の決断は当然、国会で承認されねばならない法律の規定変更であるから、その
     前に国民の信を問う必要があるとの理由。
    ・小渕前経産相の政治資金問題などで内閣の評判が低下。仕切り直し選挙。
    ・内閣の人気が低下傾向にありまだ力のあるうちに解散?力が無くなってからでは惨敗
    ・これからは原発再稼働、集団自衛など国民の意見を2分するような課題が山積している  
     ので、その前に選挙で勝利して取り組む。
  
   3)選択肢なき特急(snap)選挙 
    ・安倍首相は「アベノミクスの是非を問いたい」としたが、野党は国民に問う政策
     なし。自民党の選挙公約はまさに総花でやっつけ仕事は明白。
    ・野党は、自民党のscandal探し以外、国民の訴える政策なし。しかも一部
     野党は分裂解散の惨状。公約はほとんど選択肢にならない。
    ・選択肢なき突然の選挙の国民は白けて、半数は投票せず。
    ・52.6%は史上最低の投票率。自民党・公明党の与党は絶対安定多数を60議席
     上回る圧勝だったが、国民の大多数が安部政権を信認したわけではない。海外
     メディアは異口同音にそれを指摘。

   4)安倍首相の野望と責任
    ・以上は、おもてむきの解散・選挙の理由。
    ・真の理由は安倍首相の自己納得と長期政権への野望ではないか。
     2012年の総裁選は石破茂氏が地方票で上回った。2012年末の総選挙は
     石破幹事長、2013年の参議院選挙も石破幹事長で勝利。自前の選挙で自信を?
    ・この大勝利で、自民党は1強。党内では安倍氏1強。環境条件に想定外の変化
     がなければ、安倍氏は6年間、総裁と首相を担う戦後最長政権。それを求めた?
    ・国民はその安倍政権にこれからさらに4年間という長期を付託せざるを得ない。
     安倍首相の国民に対する責任は重大。

                                                     Vll. 新たな経済成長の可能性

   1. アベノミクスへの世界的関心
   ー3本の矢でデフレから脱却できるか:壮大な実験
   ー日本経済の構造と体質改革への果敢な取り組みに関心 

  2. アベノミクスの”成長戦略”は経済体質改革戦略
   ー戦後体制の既得権、硬直性を克服する体質改革戦略
   ー財政破綻のリスクを回避または克服する成長が必要。
    成長戦略で描く実質2%、名目3%では足りない
     人口減少・高齢化経済でそれは可能か?
     成熟段階の日本では公共投資では成長しない。  

  3. 高度成長時代の経験から学ぶもの
   ー1950s後半から1970s前半、平均実質10%、
      うち労働力人口増加率は2%
       一人当たり生産性上昇率は8%
      ・8%の半分は量的拡大とキャッチアップ
         敗戦後のキャッチアップ願望
         インフラ整備(道路、鉄道、都市)
         工業化、規模の経済性(規格大量生産)

      ・8%の半分は質的改善、これはinnovation.
        質の成長は、人口縮小経済でも可能ではないか。

  4. 人口縮小・成熟経済の”諦観”?
     ー人口縮小時代:人口減少で労働力縮小−0.7% これを差し引くと実質潜在成長力は?
    ー潜在成長率見通し(内閣府調) 
                 2011〜15 2015〜20 2021〜25 2026〜30
      IMF     0.8
  三菱総研(2013.4)    0.5    0.6    0.5    0.4
      日経CT(2013.12)    0.6    0.6    0.6
      日生基礎研(2013.10)   0.8    1.1    1.2
      三菱UFJ R&C(2014.1) 0.9 0.7 0.6
      ○大和総研(2014.4)    0.7    1.3    1.3
      
      これは現在の経済構造、人々の価値観(消費、投資、活動)を前提
      innovationの可能性は果たして1.2〜2.0%しかないか?

     ーこれでは、金融リスクは吸収できない、
      財政再建も社会保障の充実もはかれない。

  5. 本当に失ったもの:失われた20年でなく、40年ではないか。
    ー本当に失ったのはデフレの20年ではなく、日本が進化を止めた40年間ではないか?

    (1)進化を止めた日本システム
      ・農業:農地、農協、1940s。減反 1970。
       ・医療:国民皆保険、皆医療、1960。
       ・エネルギー:原発1970s、
       ・都市:現状の近代都市化、1964東京オリンピック時。
       ・産業、企業戦略、企業統治:1970s高度成長時代
       ・政治、行政、教育:1960s〜1970s
      
     (2)その間の、内外のメガトレンドの変化
       日本:人口構造激変:富士山型→提灯型に
          社会保障の抜本改革必要だった。矛盾が噴出。機能不全、破綻?
        世界:IT,グローバル化:企業競争はグローバル、ボーダーレス化、開かれた企業
          地球環境ますます厳しく:1980s以降


Vlll. 新たな時代の可能性の実現

  1. 生かしていない資源と可能性
    ー日本は大きな可能性を持っているのに、生かしていない。世界の評価
    ー人材・技術・資金(企業内現預金 230兆円、国民金融資産 1200兆円、相続財産)

  2. シンガポールとドバイの”奇跡?” それに勝る”日本の奇跡”から学べ
  (1)シンガポール:1960年マレーシアから分断、食糧なし、資源なし LKY
地震調査から高層ビル、家賃払う仕事場:外資導入、賃金上昇↑競争力↓
      より高い付加価値、金融・コンサルティングサービス
      平均所得6万ドル、日本4万ドル

  (2)ドバイ:地理的有利性、アメリカ、ユーラシア、アフリカの中間点
       空港料ゼロ、外資企業法人税率↓
       今や、世界の中継地点、中継貿易、なんでも世界一
       ドバイ人口は1割。

  (3)最強の参考事例は日本
      ー戦争で、世界の権益全喪失、都市焼け野原、310万人死亡、国連敵国条項
      ・25年で世界第二の経済大国へ
       ー敗戦:戦前の軍事国家体制全否定、冷戦下のアメリカの支援、安保と経済
      ー戦後改革:軍の解体、農地改革、教育改革、財閥解体、労働組合法認
        
       ・軍隊・財閥の解体:独占需要⇒世界競争に、需要の価格弾力↑、
        産業界のコスト意識↑品質管理→生産性↑
       ・農地改革、教育改革→身分制撤廃→平等競争
        →資本主義(競争)と共産主義(平等)のメリット組み合わせ、国民意欲↑

       ・1950年代の改革:
          金融システム:国民資金の輸出部門への戦略的集中(階層金融システム)
          産業構造:傾斜生産、石炭→鉄→造船→機械→自動車→電機
          技術革新:技術導入と改善、生産性と品質改良、トヨタ方式
          強力な輸出立国、Ezra Vogel “Japan as no.1”
        ・戦前の日本のしくみを全否定して、新しい日本を創り出した。

  (4)異次元的な成長戦略を!
      ー成長の障碍は戦後システム。過度な平等と権利保護による硬直性と非効率
      ー戦後システムを全否定して、人々が能力を最大限に発揮できる新しい日本を
       ・戦後改革のシステムは戦前の身分制、軍国体制、反封建制の全否定
          農地解放:小作を自作農に。地主(企業)排除の土地制度
          教育:平等、規格大量生産型教育:catch upには有効。
          軍隊と財閥の解体:中小企業の競争社会
      ー新しい時代日本:グローバル化、情報化、環境、エネルギー革命
          企業改革:解放、グローバル化、起業促進
          innovation, 人材能力活用:教育改革、働き方改革、外国人材導入・活用
          農業改革:農地を企業と大農に。現場主体性支援(農協改革)、社会農業
          環境変化:自然エネルギー革命実現
          情報:  情報革命実現

 3. 異次元的成長戦略の提案

  (1) エネルギー(”第4次産業革命”、送電線)
  ー化石エネルギーは有限(50〜150年)、
  ー再生エネルギーの時代、”第4次産業革命”
  ー再生エネルギー技術(太陽光、風力)はもともと日本が先鞭
  ーその後、原発が圧倒。原発が高度経済成長支えたのは事実
  ー福島第一事故が原発リスク露呈。事故以降、人々の疑念払拭できず。
  ー徹底安全対策と説明。再稼働は「規制委」でなく政治家の責任
  ー再生エネ:太陽光、風力、地熱、バイオマス、小水力、潮波力
  ー点から面へ:化石、原発エネは点、再生エネは面、しかも遠隔・過疎地
  ー送電システム整備が急務。面積当たり収益は農業の数倍。地方再生の柱。
   (山崎養世氏:社団法人「太陽経済の会」会長、の提案) 

  (2) ITとイノベーション(産業革命、start up)
  ーIT、第三次産業革命(石炭、石油・・)、世界はflat(borderless)に。
     Tom Friedman “The World is Flat”
  ー通信、産業、生活、まだ無限の可能性
  ー効率化(企業、生活)、総合的生産性↑、成長の強力なドライバー
  ー教育、行政、社会インフラ、start up支援の環境整備急務(イスラエルに学べ)
   日本は先進国、新興国に遅れ。”のりしろ”は大。

  (3) 農業改革、(コンパクトシティと農地改革、社会農業)
  ー日本農業者、190万販売農家、165万米作(専業30万)
  ー農業は票田、政治の犠牲(政治米価、減反所得保障⇒競争から隔離)
  ー減反廃止、農地改革(企業所有可能に)、農協改革(権限縮小、地域農協自由)は正攻法
  ー生産・流通・販売の完全自由化→生産↑→価格↓、農地集約:大農家と企業所有
  ー135万軒→社会農業へ(健康農業、教育農業、環境農業、観光農業)
  ー農産品:生産性↑、価格競争力↑、品質競争力(遺伝子組み換えなし)↑、
   成長産業、投資↑、輸出↑。

  (4) 雇用ルール:成果報酬、同一労働同一賃金
  ー日本の労働生産性は低い(先進国)、報酬がすべて時間による。戦後平等改革の逆効果
  ー先進国:ホワイトカラー(経営候補者、創造的業務)は成果報酬、exempt.
  ー安倍政権の取り組み正しい。抵抗多く道半ば。white collar exemptの全面適用急務。

  ー若年者の悲惨:失業200万、フリーター400万、NEET80万、working poor 900万。
    1200万が不完全就業。訓練、熟練、安定、展望、希望なし。日本の将来担えるか?
    アベノミクスでも賃金上昇しない大きな背景。
  ー同一労働同一賃金の貫徹を(ILO条約100年前)。正規従業員(正社員)の過度な既得権
   見直し。
  ー地位による報酬差別撤廃。成果と能力による報酬。
  ー解雇法制改革:成績、勤怠による指名解雇可能に。
  ー労働市場情報提供、移動支援、キャリア形成情報提供、訓練支援。

  (5) 外国人材:移民法
  ー外国人材鎖国は世界でもユニーク。世界史:成熟国は外国人材で繁栄確保。 
  ー「実習研修制度」の拡充はvery small step
  ー移民法の制定を。日本は入国管理法、難民認定法のみ。諸国は移民法で優れた人材選別。
  ー日本人になるルール、基準の明示を。帰化をめざす外国人にルールなし。不透明。
  ー移民法は日本が必要とする優れた外国人を選別招聘する基本ルール

  (6) 出生率:
   ー「子育て支援、保育所拡充、配偶者控除制度改革」は重要。
   ー日本の支援、高齢者偏重。フランス、スエーデンの子育て支援に学べ。
    ・両国とも、保育所公的助成は手厚い。日本の約2倍
    ・フランス:家族手当(児童手当)日本の4倍。3人目が成人するまでの家族手当1300万円
          日本は300万円。多子促進政策。1人目から充実、3人目手厚い
          育児休業補償:父母どちらかが3年間育児休業補償受けられる
    ・スエーデン:妊娠・出産・性別雇用差別不可。雇用環境の平等化徹底、
           保育8割公費負担、ワークライフバランス普及 

   ー家族形成のために養子縁組の活用を。
   ー里親普及を:日本、乳児院(2歳まで)⇒児童保護施設18歳まで、社会参加困難、ホームレスに
     ○家庭で育てる必要、特別養子縁組なら可能。障碍:生みの親の親権放棄困難、相続など。

   ー代理母問題、医療倫理委員会、母として認めない。母は分娩した者。戸籍に代理母として記録
      民法、戸籍法、戸籍は日本独特、欧米や韓国にはない米国はSSNo. 所得・財産や納税記録も
      戸籍:中国から導入、大宝律令時代以来。家制度と戸籍制度で個人確認
      特別養子縁組なら可能。養子縁組は大人は活用(介護、相続のため)子供では普及していない

   ー児童相談所に矛盾する過大な負担:親権放棄要請と家族機能回復支援。
     諸外国では親権問題は裁判所。親権問題で家庭裁判所活用を。
 
  (7) 医療改革
  ーかつて最小コストで長寿国:人口構成若く、公衆衛生普及(幼児死亡低い)
  ー今、高コスト、財政難、経営難(8割赤字)、サービス低下(3時間3分、医師不足)
   高齢化でさらなる医師とサービス不足深刻化
  ーメガトレンド変化:高齢化、医療単価↑(技術進歩)、低成長(担税力↓)
  ー政策対応の誤り:価格(診療報酬制度)、数量(ベッド、医師、医学部規制)
  ー「混合診療」はsmall step
  ー解決策:
    1)情報化、包括支払い制度:DRGーPPS、日本 DPC
    2)outcome情報:評価、選別、競争可能に
    3)民間保険を7割に
    4)Drug lag, Device lag解消
    5)混合診療

  (8) 都市空間
  ー昼夜間人口比 東京:2.5
  ー建物平均高さ 東京:3.0F〜2.3F パリ:6F
  ー高さ制限:東京:260m、航空法300m
     アジア都市:500mのスカイライン
  ー容積率↑→都市空間↑→効率↑→快適↑→自由時間3〜4時間↑→QL↑

  (9) 教育
  ー規格大量生産型、cf.センターテスト
  ーcatch up 時代には効果
  ー今、先進国。先行例なし。問題発見、議論、実証、解決
  ー問題に唯一の正解なし。説得した者が正解
  ー150万人の旧型教育関係者(いわば既得権者)

  (10) 健康づくり
  ー「健康増進法」は効果あったか? 健康保険組合に義務づけ
  ー食事によるCalコントロール、筋トレ:楽しくできる方法開発できるか?


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