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2014年7月

政府の新成長戦略『日本再興戦略 改訂2014』の概要

政府は2014年6月24日に、新しい成長戦略『日本再興戦略 改訂2014』を閣議決定した。これは昨年の6月14日に閣議で決定して推進して来た旧「日本再興戦略」の改訂版である。

周知のように安倍政権の経済戦略は、”3本の矢” からなる一連の経済政策のパッケージで、通称 “アベノミクス” として今や世界中でも知られている戦略である。これは金融、財政、成長という、それぞれ政策主体、政策手段、政策対象、時間的視野が異なるだけでなく、経済に対して期待される効果も大きくことなる政策パッケージを組み合わせたもので、経済戦略のあり方としてもその機能や成果が注目される。金融は主として金融当局の決定によるがその最大の効果は人々の期待を変えることで、時間的視野は比較的短期である。財政は財政当局が担うが、それは成長が軌道に乗るまでのつなぎである。金融にも財政にも効果と同時に大きなリスクが伏在するが、そうしたリスクを吸収しアベノミクスの期待される成果を達成する最大の手段は第三の矢とされる成長戦略である。

2013年に策定された成長戦略「日本再興戦略」は3つのアクションプランを掲げて総合的な構造改革を唱えたが、日本経済が活力を回復するために真に必要としている構造改革に本格的に切り込むことができず、また同戦略が発表されてからの日本経済の成長はむしろ鈍化したため、安部政権では、2013年度後半から、成長戦略の改訂版を作成して、より本格的に構造改革を進める必要を痛感したものと思われる。そこで年が変わった2014年1月に、新成長戦略策定の指針を発表し、鋭意、これまで切り込めなかった分野にもできるだけの構造改革を推進してきた。


今般、2014年6月24日に閣議決定された『日本再興戦略 改訂2014』は、そうした持続的な改革努力の中間的成果の報告であるとともに、それを踏まえたこれからの展開への方針の提示という二重の性格を有していると言える。昨年の「日本再興戦略」はA4版94枚の文書だったが、今回の『日本再興戦略 改訂2014』は本体124枚に加え、1枚と18枚のサマリーが付随している。これらの文書は6月24日の閣議決定に先駆けて、6月14日の「産業競争力会議」でその内容は公表された。今回の新成長戦略はこの文書だけでなく、「規制改革会議」が6月13日に発表した『規制改革に関する第2次答申〜加速する規制改革〜』ならびに、6月24日に閣議決定された「経済財政諮問会議」の80枚にわたる答申『経済財政運営と改革の基本方針2014について』という一連の文書がパッケージになって2014年6月に策定された新成長戦略ということになっている。さらに国家戦略特区委員会の答申も新成長戦略の一環に位置づけられる。

今回の新成長戦略の構成はこのようにいささか複雑でかつ膨大な内容になっているため、新しい成長戦略の全貌をエッセンスを簡明に理解することも、また説明することも必ずしも容易でないと思われる。実際、6月24日の閣議決定の直後に掲載された海外の論調では、今回の新成長戦略は、”第三の矢ではなく1000本の鍼灸の針だ” と表現されている。

注:
(1)  David Pilling “Abe’s third arrow is more like a thousand needles,” Financial Times, June 19, 2014.
(2)  “The third arrow” The Economist , June 28th 2014

こうした論調は、今回の改革はいわゆる岩盤規制の分野にも鋭意切り込もうとしている意欲と努力は評価できるが、項目があまりに全般に渡っているので判りにくさが否めないことを現しているものと思われる。

私のブログでは、新しい成長戦略という日本経済にとっても私達の仕事や生活にとっても極めて重要な政策パッケージをより良く理解するために、これから一連のエッセイを掲載していきたいと思う。その第一として、上記の4つの文書の要点は何かをなるべく詳しく判りやすく紹介したい。それがこのエッセイの主題である。

その後、私から見た、政府の昨年からの構造改革努力の経緯をいくつかの主要分野に分けてかなり詳しく紹介し、改革がどのようにどこまで行われているのかを理解する材料を提供したいと思う。安倍政権は必要な構造改革にかなりの意欲と努力をもって取り組んでおり、私達は、その実態をまず理解したうえで、私達の行動を選択すべきと思うからである。

以下、
(1)「日本再興戦略 改訂2014」、
(2)「規制改革会議第二次答申」、
(3)「骨太の方針2014」経済財政諮問会議答申
の順で、まずその概要を紹介しよう。

なを、次回以降のブログでは、この「新成長戦略」の主な部門もしくは政策領域について順次、この戦略が策定されるまでにどのような議論や攻防が行われたかとやや詳しくあとづけ、さらに今後の展望についても私見を交えて評価していきたいと思う。

l. 「日本再興戦略 改訂2014」(2014年6月24日閣議決定)

1. 要点
 まず、政府が1枚紙で、戦略の要点を「改革に向けての10の挑戦」という形でまとめているので、それを紹介しよう。

 1. 日本の「稼ぐ力」を取り戻す
  1) コーポレートガバナンスの強化
  2) 公的・準公的資金の運用の在り方の見直し
  3) 産業の新陳代謝とベンチャーの加速、成長資金の供給促進
  4) 成長志向型の法人税改革
  5) イノベーションの推進とロボット革命

 2. 担い手を生み出す〜女性の活躍促進と働き方改革 
  6) 女性のさらなる活躍促進
  7) 働き方の改革
  8) 外国人の活用

 3. 新たな成長エンジンと地域の支え手となる産業の育成
  9) 攻めの農林水産業の展開
  10) 健康産業の活性化と質の高いヘルスケアサービスの提供

2. 概要

 以下、やや詳しく「日本再興戦略 改訂2014」の概要を紹介しよう。

○ 総論
 ー日本経済はこの1年間で大きくかつ確実な変化を遂げた。日本経済は力強さを取り戻しつつあり、物価動向を見ても、デフレ脱却に向けて着実に前進をはじめている。しかし、人口減少社会への突入を前に、日本経済全体として生産性を向上させ、「稼ぐ力(=収益力)」を強化していくことが不可欠。
 ーあらたな成長戦略は、昨年の成長戦略で残された課題である1)女性の活躍 2)農業 3)医療・介護の3点で大きく前進した。 

○ 今後の鍵となる施策
 <企業関連>
  1)企業統治(コーポレートガバナンス)の強化 2)公的・準公的資金の運用等の見直し 3)産業の新陳代謝とベンチャーの加速化、成長資金の供給促進

 <国の取り組み>
  1)成長志向型の法人税改革 2)イノベーションの推進とロボット革命

<女性の活躍促進と雇用改革>
  1)学童保育の拡充 2)成果で評価する労働時間制度の創設 3)外国人技能実習制度の拡充

 <農業・医療関連>
  1)農業委員会・農業生産法人・農業協同組合の一体的改革 2)混合診療の大幅拡大

○ 3つのアクションプラン

(1)日本産業再興プラン
 <産業の新陳代謝促進>
  ー上場企業のコーポレートガバナンス(企業統治)の諸原則を記した「コーポレートガバナンス・コード」を策定
  ー上場銀行、同持株会社に1人以上の独立社外取締役の導入を促す。
  ーベンチャ支援に協力的な大企業からなる「ベンチャー創業協議会(仮称)」を創設する。

 <雇用制度改革>
  ー一定の年収(例えば1000万円)以上で、職務の範囲が明確で高度な能力を持つ労働者を対象に時間ではなく成果で評価される「新たな労働時間制度」を創設。
  ー勤務地を絞って地域限定社員などの「多様な正社員」を普及、拡大する。
  ー透明かつ公正、客観的な労使間の紛争解決システムの具体化に向けて2015年中に検討を進める。
  ー放課後児童クラブは、19年度末までに30万人分の受け皿拡大を図る。
  ー経験豊かな主婦が研修を受講した場合に「子育て支援員(仮称)」として認定。
  ーハローワークごとの成果を比較、公表する。
  ー外国人技能実習制度の抜本的な見直しを行う。

 <科学技術イノベーションの推進>
  ー実効性の高い営業秘密漏洩防止対策を早急に具体化する。
  ーロボット技術の活用を図るため「ロボット革命実現会議」を設立する。
  ー2020年までにロボット市場を製造分野で今の2倍、サービスなど非製造分野で20倍に拡大する。
  ー東京五輪に合わせたロボットオリンピック(仮称)の開催。

 <世界最高水準のIT社会の実現>
  ーパーソナルデータ活用のため、第三者機関の体制整備や取り扱いなどについて法改正の内容を大綱にとりまとめる。
  ー外国人旅行者へのサービス提供のため、観光地や防災拠点で、無料の公衆無線LANを整備する。

 <立地競争力の強化>
  ー成長志向の法人税改革に着手する。
  ー国家戦略特区の加速的な推進。
  ー年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオ(資産構成)は速やかに見直す。
  ー原子力規制委員会によって規制基準に適合する認められた場合は、その判断を尊重し、原子力発電所の再稼働をすすめる。
 <地域構造改革の実現と中小企業の革新>
  ー地域資源を活用した「ふるさと名物」の開発や販路開拓を推進する。

(2)戦略市場創造プラン
 <健康寿命の延伸>
  ー複数の医療法人や社会福祉法人の一体的な経営を可能とする「非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)」を創設。
  ー地域経済活性化支援機構に「地域ヘルスケア産業支援ファンド(仮称)を年度内に創設。
  ー混合診療拡大のために新たな仕組み「患者申し出療養(仮称)」を創設し、治療の選択肢を拡大。

 <クリーン・経済的なエネルギー需給の実現>
  ー風力発電など再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため、送電インフラの増強を進める。
  ー水素社会の実現に向けたロードマップを実行。
  ー海洋資源開発を推進し、関連産業を育成。

 <地域資源で稼ぐ地域社会の実現>
  ー農業委員会は選挙制度、議会や団体推薦による専任制度を廃止し、市町村の専任委員に一元化。
  ー農地を所有できる「農業生産法人」の要件を見直す。
  ー今後5年間を農協会改革集中期間として自己改革を促す(全国農業恊働組合)中央会制度は、自立的な新たな制度に移行する。全農(全国農業協同組合連合会)や経済連(経済農業恊働組合連合会)は、農協出資の株式会社への転換を可能に。
  ー2015年度から牛肉、茶、水産物など品目別の輸出団体の設立を推進。
  ー東京五輪・パラリンピックが開催される20年に訪日外国人旅行者数2000万人を目指す。
  ー国際会議の参加者やVIPの空港での出入国手続を迅速化。
  ー全国各地の免税点を1万店規模に倍増させる。
  ーカジノや商業施設などが集積した「統合型リゾート」は国民的な議論をふまえて関係省庁で検討を進める。

(3)国際展開戦略
  ー対内直接投資の残高を倍増させるための推進体制を強化。
  ー政府横断的に「クールジャパン」を推進する新たな体制を構築。


ll. 規制改革会議「第二次答申」(2014年6月13日)


 ○総論
   世界から我が国へ投資を呼び込むためには、世界に範を示す「世界最先端」の経済循環を整備していく必要がある。規制改革は産業の発展のためにも不可欠。国民の選択肢拡大につながる規制改革を重視した。

 ○本論
 (1)健康・医療
  ー新たな保険外併用の仕組みの創設
   保険外併用療養費制度(混合診療)の中に、新たな仕組みとして「患者申し出療養(仮称)」を創設。患者申し出療養では未承認診療に豊富な知見をもつ臨床研究中核病院と、患者に身近な地域の医療機関が連携して、患者が申し出た診療をできる体制を構築。
   患者の申し出療養として前例がある診療は申請から原則2週間で臨床研究中核病院が判断し、受診できるようにする。前例がない診療は申請から原則6週間で国が判断し、受診できるようにする。
   ー医用様検査薬の市販拡大
    一般用検査薬への転用のしくみを早期に構築し、既に転用希望もある49検査項目と集中的に検討。
   ー社会福祉法人の経営管理強化と一般企業との競争条件の整備。
    厚生労働省は全国の社会福祉法人の財務諸表を集約し、一覧性、検索性をもたせた電子開示システムを構築。社会福祉法人の社会貢献活動を義務づける。

  (2)雇用
   ー多様な働き方の拡大
    労働時間規制を見直す。労働時間の長さや時間帯と賃金を切り離した新しい制度が必要。健康を守るため、労働時間の上限規制、休日・休暇の取得促進に向けた強制的な取り組みの導入が必要。引き続き議論と検討をつづける。
   ー労使双方が納得する雇用終了のあり方。
    諸外国の関係制度、運用の状況に関する調査研究を行うなど、労働契約関係の継続以外の方法を含め、労使双方の利益にかなった紛争解決を可能とするシステムについて検討を進める。
   ー有料職業紹介等の規制の再構築。
    健全は就労マッチングサービスの発展の観点から、職業紹介、求人広告等の有料職業紹介事業に関する制度を見直す。

  (3)創業・IT
   ーダンスに関する風営法規制緩和
    飲食を伴うダンス営業(クラブ)は風俗営業からの除外や営業時間の規制緩和を含め、規制の在り方について有識者の意見を聞いて結論を得る。
   ー流通・取引慣行ガイドラインの見直し
    メーカーが流通業者に価格や販売地域などを指定する「垂直制限行為」については競争制限効果を生ずることもあれば、競争促進効果もあり得ることをガイドライン上に明記する。
   ークラウドメディアサービス実現のための規制の見直し
    事業者が積極的にサービスを展開できるように、法令上の解釈運用を明確化すべき。

   (4)農業
    ー農業委員会の見直し
     農業委員会の選挙制度を廃止し、市町村議会の同意を必要とする市町村長の専任委員に一元化。農業委員の過半は認定農業者から選任。現行の半分程度の規模にし、女性や青年を積極的に登用する。農業委員の報酬水準の引き上げを検討。
    ー農地を所有できる法人の見直し
     農業生産法人の構成要件について、議決権をもつ出資者のうち1/2超は農業関係者とする一方、1/2未満については制限を設けない。
    ー農業恊働組合の見直し
     全国農業協同組合中央会(JA全中)は抜本的に見直す。農業協同組合法上の中央会制度は、適切な移行期間を設けたうえで、現行の制度から自立的なあらたな制度に移行する。全国農業協同組合連合会(JA全農)は株式会社化が望まれる。各市町村の単位農協の貯金や融資などの金融業務を農林中央金庫と信用農業協同組合に移す。

   (5)貿易・投資
    ークルーズ船入港時の入国審査手続きの見直し
     訪日外国人旅行者の増加、クルーズ船寄港誘致競争の優位化を実現する観点から入国審査手続の円滑化について検討。
    ー訪日外国人観光客にたいする査証発給条件の緩和
     各国との2国間関係、外交的意義、治安等への影響を総合的に勘案し、観光立国に向けた検討を加速する。
    ー輸出入通関書類に係るペーパーレス化の促進
     通関関係手続をどのていどまで電子化するのが適切であるのかを検討し、可能なものから順次実施する。


lll.「骨太の方針2014」経済財政諮問会議答申(2014年6月24日閣議決定)


 第1章 アベノミクスのこれまでの成果と今後の日本経済の課題

 1. デフレ脱却・日本経済再生

  ーアベノミクスの成果と今後の方針
   3本の矢の効果もあって実質国内総生産は6四半期連続のプラス成長となった。企業の業況判断は幅広く改善し、設備投資も増加が続く。雇用情勢は着実に改善している。物価動向ももはやデフレ状況ではなく、デフレ脱却に向けて着実に前進。成長戦略のさらなる推進を行う

  ー今後の4つの課題
  第一に消費税率引き上げにともなう駆け込み需要の反動減への対応。
  第二に経済の好循環のさらなる拡大と企業の主体的行動。
  第三に人口急減・超高齢化の流れを2020年をめどに変える改革。
  第四に経済再生と両立する財政健全化。

  2. 経済再生の進展に向けた基本的方向性 

   民間投資と喚起し、対日直接投資を促進するため法人税改革、国家戦略特区の活用をはじめとした規制の見直し、資源・エネルギーの安価・安定確保により「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を整備する。コーポレートガバナンスの強化等をつうじて、稼ぐ力の向上を最重要の課題として経営判断を下すよう自ら変革し、事業の選択と集中を進める必要がある。

  3.「創造と可能性の地」としての東日本大震災からの復興

   復興を単なる現状復帰にとどめるのではなく、人口減少、高齢化、産業の空洞化、といった日本全国の地域社会の抱える問題を解決し、我が国や世界のモデルとなる「新しい東北」を創造する。東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策について、東京電力のみにまかせるのではなく、国が前面に立ち、全力を挙げて取り組む。

  4. 日本の未来像にかかわる制度・システムの改革

   ー「人口急減・超高齢化」の克服
     希望通りに働き、結婚、出産、子育てを実現することができる環境を整え、50年後にも1億人程度の安定的な人口を保持できるよう努力。
    ー望ましい未来像に向けた政策推進
     東京への一極集中傾向に歯止めをかけ、少子化と人口減少を克服することをめざした総合的な政策を推進。司令塔となる本部を設置。

 
 第2章 経済再生の進展と中長期の発展に向けた重点課題


  1. 女性の活躍をはじめとする人材力の充実・発揮


  1)女性の活躍、男女の働き方の改革
   役員・管理職等への女性の登用促進。税制・社会保障制度等を女性の働き方に中立的なものとする検討。

  2)教育再生
   少子化の見通しと整合的な教職員の計画的な採用を進めつつ、教職員の質的向上や指導力の強化を推進。 

  3)複線的なキャリア形成の実現など若者の活躍の促進。

  4)少子化対策
   第三子以降の出産・育児・教育への重点的な支援など、これまでの少子化対策の延長線上にない政策の検討。

  5)健康長寿を社会の活力に
   希望する人は70歳まで働ける環境整備も検討課題。国民皆保険を堅持した上で保険外併用療養費制度を拡充。

 
 2. イノベーションの促進等による民需主導の成長軌道への移行に向けた経済構造の改革。


  1)イノベーション
   イノベーションの核となるICT(情報通信技術)の利活用を強力に進めるため官民オールジャパン推進体制の構築と国家戦略特区との連携等をつうじてスマートジャパンICT戦略の展開をはかる。

  2)コーポレートガバナンス
   株式持ち合いの解消、独立社外取締役の在り方の検討・導入促進などコーポレートガバナンスの向上により、多様なステークホルダーの適切に還元がなされることが重要。健全かつ力強い企業を生み出すための環境整備。

  3)オープンな国づくり
   ー外へのグローバル化
    環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けて引き続き取り組む。
   ー内なるグローバル化 
    国際金融センターとしての東京市場の地位を確立するための施策の推進。外国人の活用は移民政策ではない。

   4)資源・エネルギー
    原子力発電所は原子力規制委員会により世界でもっとも厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、再稼働を進める。

   5)規制改革=略。



  3. 魅力ある地域づくり、農林水産業・中小企業等の再生


   1)「新しい東北」の創造=略


   2)観光・交流等による都市・地域再生、地方分権、集約・活性化
    ーオリンピック・パラリンピック東京大会開催に向けた取り組み。
    ー地域活性化
     休み方」の改革について検討を進め、有給休暇を活用した秋の連休の大型化を促進。
    ー都市再生等=略
    ー沖縄振興=略
    ー地方分権改革の推進等
     地方に対する権限委譲ならびに規制緩和等を力強く推進。道州制について必要な検討をすすめる。
    ー長期的観点からの取り組み。
     人口減少・巨大災害の切迫等をふまえて新たな「国土のグランドデザイン」を策定・国土形成計画の見直し。

   3)農林水産業・地域の活力創造
    攻めの農林水産業を展開し、成長産業にする。輸出拡大、食の安全の確保、多様な担い手の育成

   4)中堅・中小企業・小規模事業者の躍進=略


 
  4. 安心・安全な暮らしと持続可能な経済社会の基盤確保


   1)戦略的外交の推進、安全保障・防衛等=略
   2)国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)防災・減災等=略
   3)暮らしの安全・安心(治安・消費者行政等)=略
   4)地球環境への貢献=略


 第3章 経済再生と財政健全化の好循環


  1. 経済再生と財政健全化の両立に向けた基本的考え方

   ー当面の財政健全化に向けて
    国・地方を合わせた基礎的財政収支について15年度までに10年度にくらべ赤字のGDP比を半減。20年度までに黒字化、その後の債務残高GDP比の安定的な引き下げを目指す。収支改善が可能なときはできる限りの改善を図る。
   ー法人税改革
    数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す。引き下げは来年度から開始する。財源はアベノミクスの効果も含め、課税ベースの拡大等による恒久財源の確保をすることとし、年末に向けて議論を進め、具体案を得る。20年度の黒字化目標達成の必要性に鑑み、達成に向けた進捗状況を確認しつつ行う。

   2. 主な歳出分野における重点化・効率化の考え方


  1)社会保障改革

   ー基本的な考え方
    医療、介護を中心に社会保障給付について、いわゆる「自然増」も含め、聖域なく見直す。世代間での負担の公平を図るため、負担能力に応じた
    負担を重視する制度への転換を進める。
   ー医療・介護提供体制の適正化
    国で都道府県が目標設定をするために標準的な算定式を示す。
   ー保険者機能の強化と予防・健康管理の取り組み
    後期高齢者医療の支援金は負担能力に応じた負担とすることを検討。
   ー介護報酬・診療報酬等
    15年度介護報酬改定で、社会福祉法人の内部留保の状況をふまえた適正化を行なう。衣料品や医療機器等の保険適用の評価に際して費用対効果の観点を導入する。 
   ー薬価・医療品に拘る改革
    薬価計算の基礎となる市場実勢価格の早期形成を促す。薬価調査・改訂の在り方について、その頻度を含めて検討
   ー生活保護・生活困窮者対策=略
 
   2)社会資本整備

   ー基本的な考え方=略
   ー民間能力の活用等
    コンセッション方式を空港、上下水道、道路などへ積極的に導入する。
    地方公共団体におけるPP/PFI事業の案件形成機能の強化を図る。
   ー賢く使う観点からの取り組み
    老朽化が進行しつつある既設のインフラについては、民間活力を最大限活用しつつ、ICTや新技術を開発、導入。
   ー選択と集中、優先順位の明確化。 
    コンパクトシティーなどによる集約、活性化など

   3)地方行財政制度
   ー基本的な考え方
    リーマンショック後の危機対応モードから平時モードへの切り替えを進める。
   ー元気な地方を創るための取り組みの推進=略
   ー地方財政改革の推進
    必要な地方の一般財源総額を確保し、できる限り早期に財源不足の改善を目指し、地方財政の健全化を図る。今年度中に新たな公立病院改革ガイドラインを策定する。
   ー地方財政の透明性・予見可能性の向上による財政マネジメントの強化=略

   3. 公的部門改革の推進


   (1)行政のIT化と業務改革、行政改革、ならびに公務員改革=略

    1)行政のIT化と業務改革
     政府情報システムの徹底した運用コスト削減や、国、地方を通じたクラウド化の推進。

    2)行政改革
     独立行政法人が国民に対する説明責任を果たしつつ政策実施機能を最大限発揮できるよう共通制度を15年4月から実施する。

    3)公務員改革
     内閣の重要政策に対応した戦略的人材配置を実現し、政府としての総合的人材戦略を確立。女性の採用と登用の促進、若手の育成を実施。

    (2)財政の質の向上=略


 
 第4章 15年度予算編成に向けた基本的考え方


   1. 経済財政運営の考え方


    (1)経済の現状および今後の動向と当面の経済財政運営の考え方
      物価動向がデフレ状況ではなくなるなど、力強さを取戻しつつある。消費税率引き上げにともなう駆け込み需要の反動減はこれまでのところ想定内という見方が多いが、反動減からの回復過程については今後、注視していく必要がある。

  (2)中長期的な経済財政の展望をふまえた取り組み
      15年10月に予定される消費税率の10%への引き上げについては、経済状況を総合的に勘案して14年度中に判断を行う。

    2. 15年度予算編成の基本的考え方

      非社会保障経費は、前年度にくらべて出来る限り抑制し、社会保障支出も聖域なく取り組むことで、前年度からの増加を最小限に抑える。
 

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