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2013年2月

安倍政権とこれからの日本

安倍政権が昨年末に誕生してから約2ヶ月が経過しました。この正月以来、日本の経済と社会の雰囲気は大きく変わったように思います。人びとは景気がようやく良くなるのではないか、という期待感を持ち気分が明るくなりました。とりわけその空気の変化を後押ししているのが株価の急上昇。そしてこれまで円高という逆境に苦しんでいた輸出企業を元気づけている円安の急進です。これらはいずれもいわゆるアベノミクスの効果とされています。
 
安倍首相は、経済戦略として”3本の矢”を唱えています。思い切った金融緩和、積極的な財政政策、そして成長戦略です。金融緩和は、2%程度の物価上昇のたしかなメドがつくまで徹底的につづけるということで、その政府方針を1月中旬までに“アコード(政策協調)”という形で日銀に合意させました。実質的にはまだ何も行われていませんが、政策意志をそうした形で世界に示したことで、市場は敏感に反応し、海外からの投資が殺到して株価を急騰させ、また為替市場では円売りが進んで円安が急速に進んでいます。財政も、正月休み明け早々に真水で13兆円を超える大型緊急経済対策を発表し、大型の2013年度予算案につづける姿勢を明確にしました。そして成長戦略は「産業競争力会議」を中心に策定作業を進め、6月には成案を得ることにしています。
 
安倍政権は、市場の鋭敏な反応を背景に、このように華々しいスタートを切りましたが、私達国民の最大の関心は、3本の矢を柱とする安倍政権の経済戦略がどのように展開・推進され、日本経済をその潜在力にふさわしい望ましい成長軌道に乗せる事ができるか、にあります。成長の展望が明確になれば、すべては好循環するでしょう。しかし成長の展望がたしかなものにならなければ、株高は一過性で終わり、円安が進行してインフレにはなりますが、一方、財政赤字は累増をつづけ、やがて金利が上昇して、財政債務問題が深刻化し、実質賃金も低下しかねないという暗いシナリオに陥る危険もあります。現時点では、そのどちらの方向に日本経済が向かうのかを判断するにはまだ充分な情報も結果もありませんが、その疑問はこれからの国民生活と企業活動を大きく規定することになりますので、私達国民は真剣な関心をもたざるを得ません。
 
私はこのブログで、まだ時期尚早ではありますが、人びとのこうした関心に、少しでも判断の手がかりを提供できれば、という思いで、「安倍政権とこれからの日本」を考えるための若干の事実と解釈を整理して提示してみたいと思います。それは以下の5つのエッセイから構成されます。
 
(1)安倍政権の誕生とその性質、とりわけ制約と課題。
(2)アベノミクスl:  金融戦略
(3)アベノミクスll:  財政政策
(4)アベノミクスlll: 成長戦略
(5)安倍政権下の日本経済の展望
 
これらを日本のこれからを考える上で、参考にして戴ければ幸いです。
 
 

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