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2018年5月

2018年5月 2日 (水)

「当今世界格局中的中国和日本」:赴湖南大学的演讲稿

「当今世界格局中的中国和日本」:赴湖南大学的演讲稿

2018年4月20日
在中国湖南大学
20180420

1. 前言 致谢辞

 大家好!我就是刚才被介绍的岛田晴雄。我现在东京首都大学担任理事长,同时,主导着“青年企业家研究会「岛田村塾」“的相关工作。今天,我率领在岛田村塾学习的部分青年企业家一起来到了现在的会场。

 我在两年前曾访问过湖南大学,当时和段献忠校长、張佩霞教授为首的贵校的广大教职员工和学生们进行过富有意义的交流。今天故地重游,我首先要对邀请我们此次来访的段献忠校长、楊智教授、呉阮教授、夏藝助教授和相关人员的欢迎表示衷心的感谢。同时,对促成我们此次访问的段耀中先生表示特别的谢意。

 今天我想和大家一起来思考在当今世界中国和日本的地位和作用以及中日两国合作的意义和可能性。

 今天的讲座大约为两小时,我先花三十分钟用中文提起问题,然后回答大家的提问。我的中文听力有点问题,所以提问时,请能讲日语的人用日语提问,其他的人请用英语提问,我的日语和英语都能够和大家充分对应,这样也便于提高效率,进行深入地探讨,现在,请允许我首先用中文来提起问题。


2. 当今世界格局中的中国和日本

 首先,我想讲一下当今世界上的中国的地位和作用。中国现在是仅次于美国的世界第二经济大国,而且中国政治稳定,大家都期待着作为世界大国,中国能对世界的稳定和发展发挥合适的领导作用。

 虽然,中国的GDP规模是仅次于美国的经济大国。但是人均国民所得仍然处于中等发展中国家的水平,要想达到发达国家的水平必须要有更大的发展。特别是进入21世纪后,中国的人口增长迟缓,宏观经济增长在2010年代以后也放缓下来。中国未来的发展需要提高生产效率,这要依靠创新等技术进步来推动。

 作为大国为了在世界上发挥领导力,就有必要在构筑和维护关于世界稳定和发展的国际秩序中做出贡献。当今的世界秩序是由从19世纪初到20世纪中叶西欧世界大发展以后,以人权,民主主义和自由竞争等欧美世界的价值观为基础建立起来的。

 近年,以中国为主的亚洲取得了很大的发展,亚洲有亚洲文明的悠久历史,也有跟西方不同的东方价值观。面对怎样重新构筑未来的世界稳定和发展秩序,大家对中国能起的新作用将拭目以待。

 第二次大战后,一直领导世界秩序的美国,因倡导“美国第一主义”的特朗普总统而陷入狭隘的民族主义倾向令人遗憾。由于中国并没有提出“本国第一主义”的口号,所以现在众望所归,大家都期待中国提出能引领世界整体的价值观。

 在亚洲日本的GDP仅次于中国,居第二位,在世界上居第三位。日本技术水平高,人均所得均居世界前列。但现在日本也面临些大问题,第一是人口减少导致国内市场缩小。第二是由于老龄化社会的加速导致社保费用的膨胀而使财政赤字的规模不断扩大。

 过去,国际社会对亚洲为主的发展中国家提供了巨额的经济援助。这些经济和技术援助对世界作出巨大的贡献。

 在国际政治层面日本的领导力有限。虽然二战后,以国际和平为理念倡导积极的和平主义,但要发挥国际的领导力还是有局限性的。这可能是二战的战败国,这个负面的政治遗产所致吧。

 日本的和平主义由美国的安保同盟体制做支撑。今后,日本为了和中国一起和平发展,怎样与中国建立战略合作关系将成为重要的课题。

 以上作为开篇总论,下面我将和大家一起分两个课题来探讨两国的经济改革和国际政治。


3. 经济改革的课题

 首先看中国的经济课题。中国经济现在正经历着历史大转换的过程,中国由邓小平时代开始了三十年每年平均增长百分之十的高速度发展。

 这个令人惊讶的高速经济发展,是得益于*改革开放政策,从美国为主的先进国家引进了技术和资本,然后有效地利用中国大量的廉价劳动力,实现了出口的飞速增长。这也就是所谓的出口为导向的发展中国家的经济增长模式。

 进入21世纪以后,很显然这样的经济发展模式遇到了瓶颈。一方面,由于受惠于高速发展提高了劳动成本,另一方面人口和劳动力的增加却出现了放缓趋势。这样从2013年以后,经济发展速度就减缓下来了。

 面对新的发展阶段,习近平主席和李克强总理提出了“新常态经济” 的政策理念,就是接受工资提高和新劳动力供给放缓导致经济减速的这个现实,继而提出通过开发新技术和提高生产效率为主导来实现新的经济发展的战略。

 但是,这样的经济结构的大转换绝非易事。在经济结构转换的过程中必须解决过剩产能和不良债权问题。为了支持这样的国内经济结构转换,习近平主席提出了具有世界性开发意义的“一带一路”宏大战略。并为支撑这样大规模开发的资金需求,而专门成立了AIIB“亚投行”,这样的国际开发投资银行。

 中国能否通过实现这一历史性的结构转换而演变成发达国家经济,取决于开发先进技术,提升经济整体性的劳动生产率,消除过剩产能和不良债权,世界规模“一带一路”战略的成功等诸多课题的解决。而要解决这些课题仅靠国内的努力是不够的,还必须获得国际上的理解和协助。

 我们再来看看日本经济面临的课题。日本经济面临的最大的问题是人口减少和老龄化。随着老龄化的加速,由于支付老龄社会费用的增加,压迫了财政支出,水涨船高,使日本的财政赤字达到了危险的水平。同时,由于人口减少导致了国内市场萎缩,企业的生产纷纷移向海外,这就导致了日本国内经济的停滞不前。

 日本经济从1990年代中叶开始到2010年代初期,长期低迷的不景气困扰着人们,使人们体验了“失去的二十年”。2012年末成立的安倍政权为摆脱长期萧条而采取了划时代的“安倍经济学”的战略。

 安倍经济学由“金融,财政,增长战略”这三支箭战略所构成。并提出异乎寻常的金融宽松政策这已初见成效。但积极的财政政策的结果反令财政的健全化更加艰难。结构改革带动的增长战略由于需要时间,现在尚未见效。

 2016年第二届安倍政权又提出了升级版的“安倍经济学”,也提出了三支新箭政策,(1)活用先进技术促使提高生产效率而使经济增长;(2)由社会体系支援育儿期的女性重新进入职场;(3)让老年人从护理中解放出来,促进劳动力的供给。

 这种成熟经济体增加劳动力供给的尝试正在国际上受到注目。当然其成效目前还是未知数。虽然增加劳动力供给是重要的政策课题,和别的发达国家相比,日本在引进和使用外国人才方面大大地落后,这一点非常令人遗憾。

 中国是日本最大的贸易伙伴国。所以为了日本和中国的发展,两国在贸易,投资,技术合作,人才培养和教育等方面的经济交流是极为重要的。


4. 国际政治的课题

 对中国而言,特朗普政权的上台,在国际政治舞台上,对中国所起的新的历史作用将具有重要意义。

 特朗普政权诞生一年来,其缺陷日渐明朗化。特朗普最大的问题是他完全不理解“在经济和安全保障”方面进行国际合作的意义。

 第二次大战后的世界,就因坚持自由贸易体制的国际合作而发展,和平也以国家合作的安全保障而得以维持。中国是国际自由贸易体制的最大受益国。中国正是因为活用现有的国际自由贸易体制而增加了贸易,实现了令人惊讶的经济发展。

 特朗普总统强调“本国第一主义,这是对国际合作框架的破坏。而且特朗普还退出为保护地球环境的国际合作条约、也就是巴里条约,恰恰现在是最有必要维护自由贸易,安全和平,地球环境的时期。所以现在大家都期待中国能在维持国际合作和发展方面发挥全球性领导作用。

 但要想发挥全球领导力,首先必须获得国际社会的充分理解和支持。对中国而言,一方面一部分人认为中国并不具有真正自由的市场竞争体制,更有甚者在批评中国或许在谋求军事上的扩张主义。所以对中国而言,为了能充分得到国际间的理解,中国有必要进一步地予以说明和努力地完善自身。

 为了世界的安全保障,当今中国所起的的作用正受到期待。比如中国在抑制和中

止北朝鲜导弹和核开发方面所起的作用。中国对北朝鲜有着最大的影响力。在过去的朝鲜战争中,中国和北朝鲜拥有“血的同盟”的历史,现在两国也有着最深入的经济交流关系。

 以美国为首的国际社会为了阻止导弹和核武器的开发,提出加强经济制裁,但是通过经济制裁来阻止核开发有效果的话,那么北朝鲜当初就不会开始这种危险的游戏了吧!

 
 我认为金正恩确信,拥有核武器是使金家王朝和北朝鲜继续生存的唯一道路。在这个地区要想既不发生第二次朝鲜战争,而又能阻止金正恩的核武器和导弹的开发,中国的智慧和力量是当今世界的期待之所在。

 日本在第二次大战后享有了以日美安保同盟为基础的安全保障。在战后的经济发展过程中日本对亚洲各国的经济开发和教育等方面提供了很多援助,做出了莫大的贡献。

 但是在国际政治方面 ,作为中日战争和太平洋战争的后遗症,产生了很大的负面遗产,使日本的领导力受到限制。日本必须更加真诚而努力地去克服这种负面的遗产,也许需要参考一下二战后德国的努力吧。

 不管是在经济方面,还是在安全保障方面,日本和中国都有着息息相关的利害关系。双方合作促进和强化两国的战略互惠关系是十分重要的。


5. 为了两国的未来

 这次演讲,我从世界的角度概述了日中两国的地位和作用。特别讲述了,两国各自的改革课题和在国际政治所起的作用。这样的比较得出结论是,中日两国有很多共同的利害关系,两国若能在战略上互相合作,必定能创造出更多的利益和价值。

 当然,要实现和强化两国战略性互惠关系,我们有很多课题和问题需要解决。首先是两国的领导和政治家应该努力,而这种努力又必须得到本国人民的理解和支持。

 为了让两国能合作,并产生巨大的利益和价值我们两国人民之间的互相了解,互相学习,互相理解也是十分必要的。我今天的演讲假如能为,将在未来担当重任的诸位提供参考,并引起了思考,那将是我莫大的荣幸。

 感谢大家静听我的演讲。下面进入和大家互动答疑的环节。

 我的中文听力还不能自如,所以请会日语的同学直接用日语提问。其余的同学可能的话请用英语提问。对日语的提问,我用日语回答,对用英语提问的同学,我用英语作答。汉語提门也可清楊老師翻译?

 这样进行质疑可以吗?现在请大家提问。
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湖南省講演日語翻訳

Ⅰ.   はじめにー謝辞

 皆さん今日は。ただいま御紹介をいただいた島田晴雄です。私は現在、首都大学東京の理事長をしています。また同時に、若手事業家の勉強会”島田村塾”を主宰しています。今日は島田村塾で学ぶ若手事業家もこの会場に同行しています。

 私は2年前にも湖南大学を訪ね、段献忠学長、張佩霞教授はじめ、多くの教員、職員、そして学生諸君と素晴らしい交流をさせていただきました。今回の訪問も段献忠学長、楊智教授、呉阮教授、夏藝助教授はじめ多くの関係者の皆様の歓迎を戴き感謝しています。またこの訪問を実現するために尽力してくださった段躍中先生にも特別に感謝したいと思います。

 今日は、皆さんと一緒に、世界の中での中国と日本の位置と役割、また日中両国の協力の可能性と意義について、考えたいと思います。

 今日のセミナーでは2時間ほど時間を戴いていると思いますが、私がまず最初に30分ほど中国語で問題提起をさせて戴き、その後、質疑をしたいと思います。私は中国語のヒアリングが困難なので、質疑は、日本語のできる方は日本語で質問をお願いしたいと思います。その他の人々は是非、英語で質問してください。私は日本語と英語は充分できますので、そのやり方が効率が高く、深い議論ができると思います。それではまず中国語で問題提起をさせて戴きます。 


Ⅱ.  世界の中の中国と日本

 まず、世界の中での中国の位置と役割について述べたいと思います。中国は今、経済規模ではアメリカに次ぐ世界第二の大国です。中国の政治は安定しており、世界の大国として世界の安定と発展のために適切な指導力を発揮することが期待されています。

 中国はGDP規模はアメリカにつぐ経済大国ですが、一人当たり国民所得はまだ◉中進国の水準で、先進国水準になるにはさらに大きく発展する必要があります。21世紀に入り人口増加が鈍化したので、マクロ経済成長は2010年頃から鈍化してきました。中國の発展に必要なのは生産性の向上です。そのためには技術革新でイノベーションを推進することが重要です。

 大国として世界の中で指導力を発揮するためには、世界の安定と発展を支える適切な世界秩序の構築と維持に貢献する必要があります。現在の世界秩序は19世紀から20世紀中盤にかけての西欧世界の大きな発展の結果、人権、民主主義そして自由競争という欧米世界の価値観を基礎に構築されています。

 近年、中国をはじめアジア世界が大きく発展してきました。アジアにはアジア文明の古い歴史があり、西洋とは異なる東洋の価値観があります。これからの世界の安定と発展を導く秩序をどう再構築するか、中国の新しい役割が問われています。

 第二次大戦後、世界の秩序を支えてきたアメリカが”アメリカ第一”を唱えるトランプ大統領の偏狭なナショナリズムに傾斜しているのは残念なことです。中国が自国第一主義に陥ることなく、世界全体をささえる価値観を打ち出すことが期待されます。

 日本はGDPでは中国に次ぐ世界第三の大きさで、アジアでは第二の経済です。日本は技術水準も高く、一人当たり国民所得も世界のトップクラスです。しかし、日本は現在、大きな問題に直面しています。第一は人口が縮小しているので、国内市場が収縮しはじめていること、第二は、高齢化が進んでいるので高齢化の社会的費用が膨張し、財政赤字が拡大していることです。

 国際社会では、発展途上国とくにアジア諸国に対して多額の開発援助を提供してきました。経済援助や技術援助では世界に大きく貢献してきました。

 国際政治面では日本の指導力は限られています。日本は第二次大戦後、平和国家を標榜しており、積極的平和主義を唱えていますが、国際的に指導力を発揮するには限界があります。それは第二次大戦の敗戦国として政治的な負の遺産が残っているためです。

 日本の平和主義はアメリカとの安全保障体制に支えられたいますが、日本と中国の平和と発展のために中国と戦略的に協力することが重要な課題です。

 以上は総論ですが、これから両国の経済改革と国際政治の課題について考えたいと思います。


Ⅲ.  経済改革の課題

 まず経済改革の課題です。中国経済は今、歴史的大転換の過程にあると思います。中国経済は鄧小平主席の時代から30年間にわたって年率平均10%以上の高度成長を実現してきました。

 その目覚ましい高度経済成長は、改革解放政策でアメリカはじめ先進諸国から技術と資本を導入し、中国の安価で大量の労働力を活用して、輸出を伸ばして実現しました。これは開発途上型の輸出主導型の経済成長方式です。

 21世紀に入ると、この経済成長モデルの限界が明らかになりました。一方では、高度成長のおかげで賃金が上昇し、他方では人口と労働力の増加がとまり、経済成長が減速をはじめたのです。減速傾向は2010年代以降、さらに進みました。

 この新しい発展段階に直面して、習近平国家主席と李克強総理は、「新常態経済」という政策理念を打ち出しました。それは経済成長の減速を受け入れ、高賃金と労働供給の限界への克服戦略として、新技術の開発と経済の生産性の向上によって新たな発展を実現するという戦略です。

 しかし、この経済構造の大転換は決して容易ではありません。構造転換の過程で過剰設備や不良債権の問題を解決しなくてはならないからです。そうした国内経済の構造転換を支える意味もあって、習近平政権は、「一帯一路」という地球規模の開発計画を打ち出しました。そうした大規模な開発投資計画をささえるために、AIIB(亜投行)という国際開発投資銀行を結成しました。

 中国がこの歴史的な構造転換を実現して先進国経済に進化できるかは、先端技術の開発、経済全体の生産性の向上、不良債権や過剰生産の解決、地球規模の一帯一路計画の成功など多くの課題を解決せねばなりません。これらの課題の解決のためには、国内の努力だけでなく、国際的な理解と協力が必要でしょう。

 次に、日本経済の課題について述べましょう。日本経済が直面する最大の課題は、人口の高齢化と減少です。高齢化が進むと高齢者を支えるための社会的費用が増え、それを賄うための財政支出が増えた結果、日本では財政赤字が危険な水準に達しています。一方、人口の縮小は国内市場の縮小につながり、企業の海外移転が進む一方、経済成長が停滞するといった弊害が大きくなります。

 日本経済は1990年代半ばから2010年代初めまで、低成長と長期デフレに悩む”失われた20年を経験しましたが、2012年末に発足した安倍政権は長期デフレの脱却を目指して画期的な経済戦略「アベノミクス」を打ち出しました。

 アベノミクスは金融、財政、成長戦略の三本の矢から構成されます。異次元の金融緩和という金融政策は一定の成果を挙げましたが、積極的な財政政策の結果、財政健全化は困難となり、構造改革による成長戦略は結果が出るのに時間がかかるので、まだ成果は見えません。

 2016年から安倍政権は第二期アベノミクスと銘打って、新三本の矢を打ち出しました。それらは(1)先端技術を活用して経済の生産性を引き上げ経済成長を促進する、(2)子育て期の女性の労働力参加の支援、(3)高齢者を介護から解放して労働供給を促進などです。

 成熟経済でさらに労働供給を増やす試みとして国際的にも注目されていますが、その成果は未知数です。労働供給の増加が重要な政策課題ですが、日本では外国人材の導入と登用が他の先進国に比べて大きく遅れていることは残念です。

 日本の最大の貿易相手国は中国であり、日本と中国の発展のためには、両国間の貿易、投資、技術移転、人材育成と教育などの経済交流が極めて重要です。


Ⅳ.  国際政治上の課題

 中国にとって、トランプ政権の登場は、中国の国際政治上の新しい歴史的役割への機会と挑戦を意味すると思います。

 トランプ政権が誕生して1年半が経ちますが、その欠陥がますます明らかになってきています。トランプ氏の最大の問題は彼が経済と安全保障についての国際協力の意義を全く理解していないことです。

 第二次大戦後の世界は、経済の自由貿易体制を守るいわゆるパリ合意によって発展し、安全保障の国際協力によって平和が維持されてきました。中国は国際的な自由貿易体制の恩恵の最大の享受国です。中国は国際的な自由貿易体制を活用して貿易を増やし、目覚ましい経済発展を達成しました。

 トランプ大統領は「自国第一主義」を掲げて、この国際協力の枠組みを破壊しようとしています。トランプ氏はさらに地球環境保全のための国際協力からの離脱を宣言しました。自由貿易と安全保障と地球環境の保全のための国際協力が今ほど必要とされている時はありません。中国にはそうした国際協力の維持と発展のために国際的な指導力を発揮することが期待されています。

 国際的な指導力を発揮するためには、国際社会から充分な理解と支持を得ることが必要です。中国に対しては、一部に、真に自由な市場競争体制を持っていない、あるいは、軍事的な拡張主義を追求している、といった批判があります。中国は国際的な理解を得るためにさらなる説明と自己改革の努力が必要でしょう。

 世界の安全保障確保のために、今、中国には特に期待されている役割があります。それは北朝鮮のミサイルと核の開発を抑制もしくは中止させる役割です。中国は北朝鮮に最大の影響力があります。中国はかつて朝鮮戦争で、北朝鮮と「血の同盟」を誓った歴史があり、現在でも最も深い経済交流があります。

 アメリカをはじめ国際社会はミサイルと核の開発をやめさせるために経済制裁を強めています。しかし経済制裁で開発を止めるくらいなら北朝鮮ははじめからこの危険な取り組みをしないでしょう。

 金正恩氏は核武力を持つことが金王朝と北朝鮮存続の唯一の道と信じていると思います。この地域で第二次朝鮮戦争を起こさずに金正恩に核とミサイル開発をやめさせる中国の知恵と力に世界の期待がかかっています。

 日本は第二次大戦後、日米安保同盟を基軸に安全を享受してきました。日本は戦後の経済発展過程でアジア諸国に経済開発や教育など多くの援助で貢献してきました。

 しかし国際政治面では、日中戦争や太平洋戰爭の後遺症として大きな負の遺産があるため、日本の指導力は限られています。日本はこの負の遺産を克服するために真摯な努力をする必要があります。第二次大戦後のドイツの努力は参考になるでしょう。

 日本は経済発展の面でも、安全保障の面でも、中国と共通の利害があり、両国が戦略的互恵関係を強化して協力を促進していくことが重要です。


Ⅴ.   両国の未来のために

 この講演で、私は世界における日中両国の位置とその役割について概観し、特に、両国それぞれの経済改革の課題と国際政治上の役割について述べました。この日中比較論から明らかになることは、日中両国は多くの利害を共有しており、両国が互いに戦略的に協力すれば、それぞれ大きな利益と価値を生むことができるということです。

 ただ、そうした戦略的互恵関係を強化し互いに協力するには、それを実現するために多くの解決すべき問題や課題があります。それらは第一義的には両国の政治家や指導者の課題です。しかし、政治家や指導者は国民の理解と支持のないことはできません。

 両国が協力しあって大きな利益と価値を生むためには、私達、両国の国民が、互いのことをよく知り、学び、理解することが必要です。私の今日の講演が、次代を担う若い皆さんの学びのために少しでも役に立つことができれば望外の幸せです。

 ご静聴ありがとうございました。これから会場の皆様と質疑をしたいと思います。私は中国語のヒアリングに困難があるので、日本語のできる人はぞうぞ日本語で、それ以外の方は恐縮ですが、英語で質問してください。私は日本語の質問には日語で、英語の質問には英語で答えるようにします。よろしくお願いします。

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